テイラー・スウィフトが「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をリリース
9月17日、テイラー・スウィフトが突如としてニューシングル「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をサプライズでリリースした。同曲は、テイラーが2014年にリリースした通算5作目のアルバム『1989』に収録されているシングルを再レコーディングしたバージョンで、テイラーは今年3月、アニメ映画『Spirit Untamed(原題)』の予告編のなかでこのバージョンの一部を公開していた。
フロントロウで何度もお伝えしているが、テイラーは現在、音楽マネージャーであるスクーター・ブラウンが自身の過去の音源の原盤権を買収・売却したことをきっかけに、デビューから2018年のレーベル移籍までにリリースした6作のアルバムの再レコーディングを決行中。2021年4月に2ndアルバムの再録版となる『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』をリリースしたテイラーは、第2弾となる4thアルバムの再録版『レッド(テイラーズ・バージョン)』のリリースが2021年11月19日に控えている。
ファンが2ヶ月後に控えた『レッド(テイラーズ・バージョン)』のリリースを心待ちにしていたなかで、突如として別のアルバムに収録されている「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をシングルとしてリリースした今回のテイラーの動きには、どうやら、『レッド』の次には『1989』のリリースは控えていることを匂わせること以上の深い意味が含まれていそう。
TikTokでリリースを告知したテイラー・スウィフト
テイラーは「Wildest Dreams (Taylor's Version)」のリリースを、TikTok上で告知。多くのアーティストたちの例に漏れず、テイラーが今や若者たちにとって欠かせないSNSとなったTikTokに進出したのは、つい先月のこと。アカウントの開設から間もなくして、最初に投稿した動画のなかでテイラーが着ていた服がソールドアウトするなど、変わらぬ影響力を発揮したテイラーのアカウントには、開設から1ヶ月弱しか経っていないにもかかわらず記事執筆時点で約490万人のフォロワーがいる。
テイラーはTikTokを使っているなかで、自身の「Wildest Dreams」が「Slow Zoom」というトレンドのなかで使われていることを発見したよう。動画のなかで使われていたのは「Wildest Dreams」の一部だったのだが、テイラーは昔のバージョンがトレンド入りしていることを受けて、“テイラー・バージョン”と名付けた再レコーディングバージョンをTikTokに投稿。
「もしスロー・ズームのトレンドで私のバージョンの『Wildest Dreams』を使いたければ、こちらをどうぞ! 可愛い気分だったから、後で1曲丸々リリースするかも」というコメントと共に、トレンドに使われていたパートの部分を公開した。
※この記事にはTikTok動画が含まれます。動画が再生されない場合はフロントロウのオリジナルサイトでお楽しみください。
@taylorswift Someone said slow zoom makes you look like the main character I said make it Taylor’s Version pls ##wildestdreamstaylorsversion ##swifttok ##slowzoom
♬ original sound - Taylor Swift
その後、テイラーは「後で1曲丸々リリースするかも」というコメントを有言実行して、「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をシングルとして正式にリリース。「ハーイ! TikTokで『Wildest Dreams』がトレンドになっているのを見たので、私のバージョンがあったほうが良いんじゃないかって思ったの」と自身のSNSに綴り、リリースをサプライズで発表した。
Hi! Saw you guys got Wildest Dreams trending on tiktok, thought you should have my version ����https://t.co/dZSBbSCcxV pic.twitter.com/MecFvUPNJb
— Taylor Swift (@taylorswift13) September 17, 2021
オリジナルバージョンを超える再生回数を記録
「Wildest Dreams」がTikTokでトレンド入りしているタイミングで自身のバージョンをリリースすることで、改めて、自分自身で楽曲の原盤権を持つことの大切さを訴えることに成功したテイラー。加えて、「Wildest Dreams (Taylor's Version)」は商業的にも成功しており、9月17日にリリースされた同曲は、Spotifyにおいてリリースの当日だけでおよそ200万回再生されたという。
これは、2014年にリリースしたオリジナルバージョンの「Wildest Dreams」の1日の最高再生回数を超える数字となっており、米Varietyによれば、スポティファイにおけるオリジナル版「Wildest Dreams」の1日の最高再生回数記録は、TikTokでのトレンド化をきっかけに米現地時間9月16日に打ち立てられた、約75万回が最高だった。
自身の楽曲を最もアピールできるタイミングを見極め、『レッド(テイラーズ・バージョン)』を差し置いてまで「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をリリースして、原盤権の重要性を説くことと、商業的な成功の両方を成功させてみせたテイラー。
ちなみに、『レッド(テイラーズ・バージョン)』が2021年11月19日にリリースされることは今も変わらないものの、『1989(テイラーズ・バージョン)』がいつリリースされるかについては現時点では未定。テイラーは「Wildest Dreams (Taylor's Version)」をリリース後にTikTokを更新して、「『レッド』のリリース日を確定させたのに、誰かが『1989』について話した時」と描かれた動画を投稿。
動画は、『レッド(テイラーズ・バージョン)』のCDにサインを描いているテイラーの映像に、『1989』期を思い起こさせるファッションに身を包んだテイラーの映像が差し込まれるというものになっている。
@taylorswift Burnin’ it down � ##wildestdreamstaylorsversion ##slowzoomeffect ##swifttok
♬ original sound - Taylor Swift
『レッド(テイラーズ・バージョン)』のプロモーションを準備中に、すぐさま『1989』期にモードを切り替えられるテイラーのプロフェッショナルさはさすがの一言だが、ファンのなかには、この動画に映る砂嵐のようなエフェクトが、何かしらを示唆しているのではないかと指摘する声も。これまでたびたびイースターエッグでファンを謎解きにいざなってきたテイラーだけに、この投稿が、『1989(テイラーズ・バージョン)』のリリースに関するヒントになっているという可能性もありそう。(フロントロウ編集部)
公開後、誤植を修正しました。