2022年に開催される第64回グラミー賞のノミネーションが発表され、複数の女性から性的暴行や性的人身売買で訴えられているマリリン・マンソンがノミネートされて物議に。グラミー賞を主催するザ・レコーディング・アカデミーの会長を務めるハーヴェイ・メイソン・Jr氏がコメントした。(フロントロウ編集部)

第64回グラミー賞にマリリン・マンソンがノミネート

 日本時間11月24日、2022年2月に開催される第64回グラミー賞のノミネーションが発表されて、カニエ・ウェストの通算10作目となるアルバム『Donda(ドンダ)』が主要部門の年間最優秀アルバム賞にノミネート。同作に参加したマリリン・マンソンもソングライターの1人としてノミネートされた。

画像: シカゴで行なった『Donda』のリスニングパーティーに、マリリン・マンソンと、同性愛者やHIV/AIDS患者に対する差別発言が問題視されたダベイビーを登場させたカニエ・ウェスト。

シカゴで行なった『Donda』のリスニングパーティーに、マリリン・マンソンと、同性愛者やHIV/AIDS患者に対する差別発言が問題視されたダベイビーを登場させたカニエ・ウェスト。

 マリリンといえば、複数の女性たちから精神的・肉体的虐待を受けたと告発され、現在は警察の捜査を受けている。先日、マリリンがBad Girls Roomと名付けた「拷問部屋」で交際女性らを監禁していた過去も明らかになった。

 そのような背景があるなかで、マリリンが主要部門である年間最優秀アルバム賞のほか、カニエとの楽曲「Jail」が最優秀ラップソング賞にもノミネートされたことで、物議を醸すこととなった。第64回グラミー賞には他にも、過去に複数の女性の前で局部を露出したことを認めた元人気コメディアンのルイ・C・Kも最優秀コメディ・アルバム賞にノミネートされている。

ザ・レコーディング・アカデミーの会長がコメント

 グラミー賞を主催するザ・レコーディング・アカデミーの会長を務めるハーヴェイ・メイソン・Jr氏は米The Wrapとのインタビューでマリリンのノミネーションについて訊かれると、「選考のために作品を提出できる人々を制限するつもりはありません」とコメント。

 「我々は人々の過去には目を向けませんし、犯罪歴にも目を向けません。我々が見るのは自分たちの規定に適しているかという点のみで、期間やそのほかの基準を満たしていれば、その作品は選考のために提出することができます」と、あくまでも作品のみで評価しているとした。

画像: ザ・レコーディング・アカデミーの会長がコメント

 一方で、公の目に留まることになるレッドカーペットや授賞式への出席については制限を設けるとして、「我々がコントロールするのはステージやショー、イベント、レッドカーペットです。それらに参加したり、出席したりしたいという方々については考慮し、その時々で決定を下します」とメイソン・Jr氏。続けて、「しかしながら、投票者たちが決定を下す作品の提出を制限するのは我々の仕事ではありません」と改めて強調した。

 また、第64回グラミー賞の年間最優秀アルバム賞には、ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』もノミネートされており、ケシャから長年にわたるセクハラや暴行を告発されたドクター・ルークもプロデューサーの1人としてノミネート。

 ドクター・ルークは、ドージャとの「Say So」で第63回グラミー賞にもノミネートされており、この時に最優秀ロック・パフォーマンス賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞したフィオナ・アップルは昨年、英The Guardianとのインタビューで「彼らはケシャをステージにあげて『Praying』をパフォーマンスさせたのに、今度は『(ドクター・ルークこと)タイソン・トラックスだよ』っていうね!」とグラミー賞の選考基準を批判した。(フロントロウ編集部)

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