2004年にスーパーボウルのハーフタイムショーで起きたハプニング
毎年豪華なアーティストたちがパフォーマンスを披露することで知られる、NFLの頂上決戦であるスーパーボウルのハーフタイムショー。現地時間2月13日に開催される今年のスーパーボウルでは、エミネムやドクター・ドレーらヒップホップの大御所たちがハーフタイムショーに出演することが決定しているが、その長い歴史のなかではハプニングも起きてきた。
中でも有名なのが、ジャネット・ジャクソン(55)とジャスティン・ティンバーレイク(40)が出演した2004年のハーフタイムショーでのハプニング。
ハーフタイムショーでは当初、ジャスティンがジャネットの衣装をとってレースのブラジャーを露出させるという演出がなされる予定だったものの、衣装の不具合により、ジャネットの胸が露出してしまうという事態に。国民の半数以上が生放送で視聴していたため当時大騒動になったのだが、同じ失態を犯した2人にはまったく異なる結果が待っていた。
ジャネットは、すぐさま謝罪を余儀なくされて、声明文と動画を通じて謝罪を行ない、その後はブラックリストに入れられるなど大きくキャリアダウン。対するジャスティンは、当時テレビ番組『Access Hollywood(原題)』で「ほら、僕らは皆さんに話題を提供するのが好きなので」と騒動をネタにまでできるほどの状態だった。米SBNATIONいわく、ハプニングが起きた2年後の2006年に一度騒動について謝罪したが、その後、2018年には再びハーフタイムショーのステージを任されるなど、ジャネットとは明暗が分かれた。
2人のあいだの歴然たる違いは女性差別や人種差別が背景にあったと考えられており、仲間として、さらには社会的に有利な立場にある白人の男性としてジャネットをかばうべきだったと、ジャスティンには近年になって批判の矛先が向くようになった。
ジャネット・ジャクソンが2004年当時からの世の中の変化を語る
そんななか、昨年、元交際相手であるブリトニー・スピアーズのドキュメンタリー『Framing Britney Spears(原題)』が全米で配信されると、作品では過去のブリトニーとジャスティンの破局劇にも触れられていたことから、ブリトニーに謝罪するよう求める声が彼に殺到。ジャスティンはそれを受けてブリトニーに謝罪する声明を発表して、そのなかでジャネットにもハーフタイムショーのことを改めて謝罪した。
さらに、2021年11月には、米New York Timesが制作した、“胸ポロ事件”の顛末を追ったドキュメンタリー『Malfunction: The Dressing Down of Janet Jackson』が全米で配信されるなどした。
今回、ジャネットは米Allureとのインタビューで珍しく“胸ポロ事件”について口を開き、ハプニングがきっかけで生まれることになったバッシングなどの「嵐」をいかに乗り越えたのかという質問に、次のように回答した。「重要なのは、基礎を取り戻すということです。家族だけでなく、神様についてもです。それが私を引っ張り上げてくれました」。
ジャネットはインタビューのなかで、年月を経てジェンダーや人種の偏見に基づく会話が問題視されるようになってきたことについても言及して、「そうした会話に参加したいかという私の意思は関係なしに、私はこの会話の一部です」と指摘。
その上で、そうした状況が変化してきていることについては「重要なことだと思っています」とジャネット。「私だけでなく、女性たちにとってもそうです。そうした会話がなされてきたことは重要だと私は思います。つまり、当時から、状況は良い方向へ変化してきているということです」と語り、自身がハプニングに見舞われた2004年からは着実に状況が変化していると感じているとした。(フロントロウ編集部)