じつは俳優の前は、五輪代表選手、モデル、闇の売人といった多様な顔を持っていたジェイソン・ステイサム。数人分の人生を生きてきたのではと思わせるほど波瀾万丈なジェイソンのこれまでを振り返る。(フロントロウ編集部)

20代前半は飛び込みの五輪代表選手だった

 ジェイソン・ステイサムは、1967年7月26日、イギリスはダービーシャー州シャイアーブルックでアイリーンとバリー・ステイサムの間に生まれた。リーという兄がおり、幼い頃から2人とも武道に親しんでいたという。

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 そんなジェイソンはいつしか水泳の飛び込みに夢中になり、その技術を磨くうちに、20歳だった1988年に韓国で開催されたソウルオリンピックではイギリス代表チームの一員として参加。25歳になった1992年に開催された世界選手権では見事12位にランクインするという快挙を成し遂げ、スポーツ選手として大成した。

 ジェイソンは合計で約12年も飛び込みのナショナルチームのメンバーとして活躍したが、世界選手権やオリンピック代表選考会では不本意な結果に終わり、次のキャリアに目を向けることに。

20代後半はモデルに転身!有名ブランドや作品で起用される

 アスリートとしてのキャリアが終わろうとしていた頃、アスリートとして鍛え上げられたボディがタレント・エージェントの目に留まり、ヨーロッパの衣料品小売店フレンチ・コネクションの広告キャンペーンに出演することになったジェイソン。

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 モデルとしての道を歩み始めた彼は、リーバイスのコマーシャルへの出演やトミー・ヒルフィガーでの仕事などを経て、モデルとしても大成功! さらにロックバンド、シェイメンの楽曲「Comin' On」やイレイジャーの「Run to the Sun」など、90年代初期のミュージックビデオにバックダンサーとして出演するなど、幅広いモデル活動を行なった。

 ちなみに当時のビデオは、“中毒性がある”、“風邪の日に見る夢みたい” として、現代のジェイソンファンの間では秘かな人気を博している。なかなかにクセの強いその映像がコチラ。後ろで踊っているのがジェイソンだ。

“闇の売人”をしている中スカウトされ、映画ビュー!

 そんなジェイソンはモデルとして日銭を稼ぎながら、父親の家業だった、ブラックマーケットでの商売もしていたという。実際に過去のインタビューで「ブラックマーケット」だったと明言し、フェイクの宝石や香水を街頭で違法に売っていたというジェイソン。

画像: “闇の売人”をしている中スカウトされ、映画ビュー!

 ラジオ番組『Sway's Universe』に出演した時には、過去のブラックマーケットでの仕事のことについて「あまり良くないものを売っていました。当時は、人の欲を逆手に取る商売でしたね」とコメント。また、YouTubeチャンネル『Backstage OL』のインタビューでは、「15歳で学校に行かなくなってからずっとそればかりしていましたよ。俳優になる直前までね」と告白した。

 デビュー映画となったガイ・リッチー監督の映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に出演できたのも、違法販売をしていた時に、街で“本物のストリートの人間”を探していたキャスティング・ディレクターの目に留まったから。

 ちなみに同作でジェイソンが演じたのは、実生活と同じようにストリートで盗品などを売り捌いているキャラクター。これに関してジェイソンは米NBCの番組『Today(原題)』で、「自分としては演技をする必要はほとんどありませんでした。基本的には自分として出て、彼が書いたいくつかのセリフを言うという感じでしたね」と明かしている。

映画俳優としてのキャリアを伸ばし、世界的スターに

 2000年代に入り、ジェイソンのキャリアは大きく飛躍する。

 2000年の犯罪コメディ映画『スナッチ』で、リッチー監督は再びジェイソンを起用。今度は地下ボクシングで名を上げようとする小悪党を演じ、ブラッド・ピットやベニチオ・デル・トロといった有名俳優と共演を果たした。

 このころからジェイソンの知名度は上がり、“忘れがたいアンチヒーロー”としての座をモノにしていく。

画像1: 映画俳優としてのキャリアを伸ばし、世界的スターに

 その後、映画『レオン』や『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン監督の目に留まり、『トランスポーター』に出演して、これがシリーズ化するほどの大ヒット。

 また、大ヒット同名映画のリメイク『ミニミニ大作戦』や『アドレナリン』、『バンク・ジョブ』など、彼のアスリート的な体型と、物怖じしないカッコよさという持ち味が存分に発揮される数々の作品で名を挙げた。

 2010年にはシルヴェスター・スタローンとオールスターキャストで映画『エクスペンダブルズ』に出演。そして2013年、大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』シリーズに鳴り物入りで参戦し、大きな話題に。現在制作されているシリーズ10作目では、重要な役を果たすと言われている。

画像2: 映画俳優としてのキャリアを伸ばし、世界的スターに

 他にも、サメ映画『MEG ザ・モンスター』、『キャッシュトラック』などで主演を務めている彼は、リッチー監督との久々のタッグを組んだ2022年公開予定の映画『オペレーション・フォーチュン:ルセ・ド・ゲール』でも主演として参加。今ではアクション・ジャンルのトップ俳優として君臨している。

スタントは自分で! マーベル映画に出たくない理由

 基本的にスタントは自分でこなす主義のジェイソン。2008年公開の『デス・レース』撮影前には海軍特殊部隊と共に週6日の肉体トレーニングを10週間に渡って行なったそう。

画像: スタントは自分で! マーベル映画に出たくない理由

 そんな彼の“体当たり演技”へのこだわりを表すエピソードがある。それが、「マーベル映画に出演拒否した」というもの。

 米The Hollywood Reporterのインタビューでマーベル映画がCGを多用することに触れたジェイソンは、「誰にでもできます。スタントダブルとグリーンスクリーン、そして2億ドルの予算に頼って、すべてCGIで作られているのです。私にとっては、それは本物ではありません」と語り、自身でアクションシーンをこなすことへのプライドを覗かせた。

 ただ、ジェイソンが嫌がっても、アクション界の名優である彼にマーベル側は興味を示しているようで、マーベル社長ケヴィン・ファイギ直々にMCU出演のオファーをもらったことがあるという。

 しかしジェイソンはこのオファーを辞退。スケジュールの都合で出演できないと伝えたそうだが、ファイギ社長は米Denof Geekとのインタビューでジェイソンからわざわざ謝罪の電話をもらったことを明かし、その礼儀正しさをベタ褒めした

私生活は一途な愛をはぐくみ、最近子供が誕生

 私生活では、スーパーモデルのロージー・ハンティントン・ホワイトリーと幸せな関係を築いているジェイソン。

画像: 私生活は一途な愛をはぐくみ、最近子供が誕生

 ジェイソンとロージーは2010年に交際をスタートさせ、2016年に婚約。2017年に第1子のジャック・オスカー・ステイサムが誕生している。

 2022年3月には、ロージーが2月に誕生した第2子イザベラ・ジェームズ・ステイサムの写真を自身のインスタグラムで初めて公開し、ファンや友人たちはお祝いムードに

 ロージーとジェイソンは子供たちのプライベートをとても大切にしており、これまで第1子ジャックの顔もSNSで一切公開してこなかった。そして今回もイザベラの顔は写さずに、すくすく成長している断片を切り取って公開した。

 飛び込み選手としての技術を極め、その後、俳優としてもトップに上り詰め、まるで数人分の人生を生きていると言っても過言ではないほ濃すぎる経歴を持つジェイソン。彼の出演映画の累計収益は1,500億円を突破しており、今年も、来年も出演映画がずらりと控えている。(フロントロウ編集部)

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