マッツ・ミケルセンがJ.K.ローリングをめぐる騒動に言及
公開中の映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』で、降板したジョニー・デップに変わって“史上最悪の悪の魔法使い”と言われるゲラート・グリンデルバルドを演じる俳優のマッツ・ミケルセンが、同シリーズの生みの親であるJ.K.ローリング氏をめぐる騒動について英GQのインタビューで語った。
ご存じの方も多いと思うが、映画『ハリー・ポッター』シリーズの原作小説の著者で、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズの脚本も手がける作家のローリング氏は、2020年6月にツイッターに投稿したトランスフォビア(※)的な発言が大炎上。
※トランスジェンダー/トランセクシュアルに対するネガティブな感情・思想・行動
ローリング氏は2万字にもおよぶエッセイやSNSを通じて主張を続けているが、トランスジェンダーの人々に対して誤解を招くような持論を後押しするなどして批判を受けており、『ハリー・ポッター』シリーズの出演者や、『ファンタスティック・ビースト』シリーズで主演を務めるエディ・レッドメインも「賛同できない」というコメントを発表している。
GQのインタビューで騒動に対する見解を求められたマッツは、「みんな『あれは侮辱だ』とか、ちょっと軽々しく扱っているところがありますよね。そして、誰に話を聞いても、彼女の発言をちゃんと理解することはできないのです。しかし、世間の反応があそこまでクレイジーだと、私たちは自分が何を言っているのか理解しておく必要があります」とローリング氏の発言を批判することに慎重な姿勢を見せると、自身はローリング氏のブログは読んでおらず、彼女の意見もよく知らないと強調したうえで、こう続けた。
「私は、何も知らないことにはコメントしないことにしています。じつは、それがすべての世界に通用するのではないかと思っています。私には何が解決策かはわかりませんが、女性やトランスジェンダーの人たちに対する憎しみのこもった言葉がなくなるのは良い始まりだと思います。私たちは正直でなければなりませんが、科学がイデオロギーに、政治が科学に変わるとき、正直に話をすることはできないように思えます。それは、自分が“どちらの側なのか”を濁すことになり、ほとんどの場合、良い方向に向かうことはありません」
さらに、マッツはときにSNSが偏見と怒りに満ちた議論の場となることに触れ、「どっちつかずの状態を望んでいるように見えます。埋められないほどの溝があるなら、話をやめればいいだけのことです」とコメント。SNSを利用していないのは、そもそもそういった類のものが「苦手だから」というのもあるが、ヒートアップし過ぎて論点を見失った議論の渦に巻き込まれたくないというのも理由のひとつだと明かした。(フロントロウ編集部)