リナ・サワヤマが新曲「ディス・ヘル」をリリース
新潟県出身で、現在はロンドンを拠点に活動しているシンガーのリナ・サワヤマが、ニューシングル「ディス・ヘル(This Hell)」をリリースした。
この曲は、リナが2022年9月2日にリリースすることを発表したニューアルバム『ホールド・ザ・ガール』からのシングルで、ポップとカントリーを融和させた、力強く喜びに満ちた1曲になっている。リナはこの曲について次のようにコメントしている。
「『ディス・ヘル』を書くのはすごく楽しかったです。ここ数年、女性カントリー・シンガーの楽曲をたくさん聴いていたので、多幸感に満ちた、風刺的なカントリー・ポップ・ソングを書きたいと思っていました。私にとってカントリーミュージックは、心地よさ、見事なストーリーテリング、それと作家のリアリティを切に表現することを意味しています。(本曲のプロデューサーである)ポール・エプワースと一緒に仕事をすることはずっと夢だったので、この曲を1日で仕上げたときに、運命的なものを感じました。ポップカルチャーを象徴するような瞬間をできるだけたくさん盛り込んだのですが、この曲はそれ以上のものに仕上がっています」。
「ディス・ヘル」ではブリトニー・スピアーズや故ダイアナ妃らにオマージュ
新曲「ディス・ヘル」のテーマは、タイトルの通り“地獄”。「モーテルの向かいの角でポスターを見た/このまま自分らしくあり続けたら私は地獄行きみたい/私が何をしたのかは分からないけど、それにすごく腹を立てているみたい」という歌詞から始まるこの曲で、リナは、“抑圧されることを余儀なくされる社会”について皮肉交じりに歌っている。
「永遠に地獄行きだけど、あなたも一緒に来てくれる/さあ来世へ/この地獄はあなたと一緒にいる方がベター/私たちは一緒に燃える」
リナが「ポップカルチャーを象徴するような瞬間をできるだけたくさん盛り込んだ」と話すように、この曲はリナがリスペクトするセレブたちへのオマージュに満ちていて、「燃えるような赤いレッドカーペットで、パパラッチのためにポージング/奴らがブリトニーやダイアナ妃、ホイットニーにした仕打ちを許さない」という歌詞では、パパラッチ文化のなかで追い込まれることになった、ブリトニー・スピアーズや故ダイアナ妃、故ホイットニー・ヒューストンをトリビュート。
また、歌詞には「プラダを着た悪魔」というフレーズも登場するほか、パリス・ヒルトンの口癖である「それってホット (Wow, that's hot)」というフレーズも組み込まれている。
パンセクシャル(全性愛者)であることを公表しているリナはこの曲について、「LGBTQコミュニティから奪われている権利」にインスピレーションを得たとして、次のように語っている。
「伝統的な宗教観という名目でマイノリティから急速に奪われている人権のことを考えた時に、これは私にとって重要な曲だと言えます。具体的には、この曲を書いたときに、LGBTQコミュニティから奪われている権利について考えていました。世界から愛や保護に値しないと言われたら、お互いに愛と保護を与え合うしかない。この地獄(This Hell)はあなたと一緒にいる方がベターなんです」
「ディス・ヘル」の音源はこちら。
リナは今年のサマーソニックに出演することが決定している。(フロントロウ編集部)
当初、サマーソニックでのパフォーマンスを“日本初”と書いていましたが、2018年にも日本でパフォーマンスを行なっているため文言を削除しました。