メキシコで行なわれた性教育の授業を収めたTikTok動画が、世界中から反響を得ている。(フロントロウ編集部)

ユーモアたっぷりで分かりやすい性教育の授業

 メキシコの学校で行なわれた性教育の授業を、参加していた学生が動画で撮影してTikTokで公開。面白くて良いと、各国のTikTokユーザーから支持を集めている。そこに映るのは…、人間に巨大コンドームをかぶせていく講師の姿!

 もちろん使用されているのは本物のコンドームではないが、人サイズで説明することによって、教室の奥にいる生徒にも見えやすそう。また、講師はボランティアとみられる生徒の背中を反らせたり、前かがみにさせたりして、体の形は人それぞれであることも説明。

 それぞれの違いを笑いモノにせず、しかしユーモアを交えて男女の体や性について説明する授業の様子は、TikTokでなんと驚異の200万いいね超えを記録!

 ※TikTok動画が含まれます。動画が再生されない場合はフロントロウのオリジナルサイトでお楽しみください。

@alberto_lm24

Así la educación en mexico ��

♬ ULTRA SOLO - Polimá Westcoast & Pailita

 性教育の機会は男女ともに重要で、だからこそシリアスなトピックになりやすい。しかし、面白い授業で見聞きした知識のほうが覚えているということもあるだろう。動画を見たユーザーからは、「こういった分野を教える時には、ユーモアがいつでも重要」「この生徒たちは絶対に忘れないよね。面白い経験だから」といったコメントが多数寄せられた。

 また、講師であるアントニオさんもTikTokアカウントを持っており、動画を投稿した生徒に「ありがとう」とコメントしたところ、生徒は「良い説明をありがとうございました。面白かったし、理解しやすかったです」と返信していることから、授業を受けた生徒たちにとっても、面白いだけでなく本当に分かりやすい内容だったよう。

 しかし、コメントのなかには、「これがアメリカで起こったら、親たちがフェイスブックやツイッターを使って学校とかを追い込むんだよね」といったものも。

 これは何もアメリカにかぎった話ではない。正しい性教育の充実は世界各地で求められており、とくに保守的な国や地域は遅れているのが現状。日本もそのうちの1つだといえる状況で、2018年には、東京都内の中学校で行なわれていた保健体育の授業で、「性交」という単語が使用されたことを、自民党の都議会議員である古賀俊昭氏が「不適切」だとし、都の教育委員会が、区の教育委員会に指導する出来事が発生した。

画像: ユーモアたっぷりで分かりやすい性教育の授業

 そして、性教育の機会がない今、アダルト動画から知識を得る人は少なくない。しかし映像のなかで女性に対して暴力的な行為が行なわれていることは多く、そういった動画を見た男性が実際にその暴力的な行為を嫌がる女性に行なうことも多い

 ユネスコが推奨する包括的な性教育(Comprehensive sexuality education )は、子供たちに自身の健康や尊厳を気づかせ、敬意のある社会的・性的な関係の築き方を教えることを目標としており、5歳からスタートするものになっている。

 アントニオさんの授業に200万超えのいいねがついていることからも、質の高い性教育を求めている人が多いのが分かる。性教育は、自分の体、他人の体に敬意を払う「人間関係」に関する教育でもあるため、正しく充実した内容が早急に求められている。

(フロントロウ編集部)

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