メイベル、チャールズ、オリバーのトリオが帰ってきた!
映画でもドラマでも音楽アルバムでも、“2作目”は大きなハードルがとなる。とくに、1作目がコメディ作品として米Hulu最大のヒットシリーズになった『マーダーズ・イン・ビルディング』にとってはなおさら。シーズン1で“誰がティム・コノを殺したのか?”という謎をパーフェクトなマーダーミステリー・コメディとしてまとめあげただけに、それの続編を成功させるには相当大胆なブラッシュアップが必要となる。ただ、6月28日(火)に2話同時配信されたシーズン2の第1話と2話を見てみたら、この3人にそんな心配はいらないことがわかった。
シーズン1は理事長のバニーが殺害されたというクリフハンガーで終わったが、シーズン2では、シーズン1で容疑者を“追う”側だったメイベル(セレーナ・ゴメス)、チャールズ(スティーブ・マーティン)、オリバー(マーティン・ショート)の3人がバニー殺害の容疑者として“追われる”側に。アルコニアでの殺人事件を究明するマーダーミステリーであることに変わりはないのだが、シーズン1では新しい証拠を集めてオフェンス形式で謎に迫っていった3人が、シーズン2では自分たちに対してどんどん積み上げられる不利な証拠と闘いながら捜査をするという、ディフェンスしながらオフェンスをするという新しい座組みでミステリーが展開していく。
新しい謎が深まるなか、キャラクターやアルコニアの知られざる過去も明かされるシーズン2は、シーズン1以上にスピーディーに展開していく。もちろん、シーズン1最大の魅力だった主演トリオのコミカルな会話劇は健在。それどころか、今や一緒に殺人事件の容疑者にまでなった3人のツッコミや掛け合いの面白さは、シーズン1を凌駕すると言っても過言ではない。
そしてそんな主演トリオのなかに入っていく新キャストが、アートキュレーターのアリス(カーラ・デルヴィーニュ)、スティングが暮らしていたペントハウスに引っ越してきたコメディ俳優のエイミー・シューマー(本人役)、バニーの母親(シャーリー・マクレーン)。この新キャストたちが主人公たちの中にコミカルに入り込んでいき、新しいストーリーを展開させていく。なかでも注目なのが、今シーズンからレギュラーキャストとして参戦のカーラ演じるアリス。キャスティングが決まった時にはセレーナ演じるメイベルとのロマンスがあると報じられ、セレーナはプレミアで「かもね〜」と焦らしていたが、第1話〜2話を見る限り、アリスはメイベルのストーリーに深く絡んでくるようなのでお楽しみに。
さらに、『マーダーズ・イン・ビルディング』と言えば音楽やセットの美しさも忘れてはならない。シーズン1に引き続きオーケストラ演奏による挿入歌が使われているが、一方で突然ビリー・アイリッシュの曲が差し込まれるなど、今シーズンでは挑戦的な側面も。また、アルコニアの各部屋のインテリアはキャラクターの性格や歴史に合わせてデザインされているが、シーズン2ではバニー宅など新たな部屋がお披露目されるのでお楽しみに。
新しい謎、新しい部屋、新しい住人と、まだまだ知られていない側面があるアルコニア。オリバーの「このビルが大好きだ!」という言葉に激しく同意しながら、今シーズンもメイベル、チャールズ、オリバーの捜査を楽しみにしたい。ドラマ『マーダーズ・イン・ビルディング』シーズン2第1話&第2話がディズニープラス「スター」で独占配信中。その後は、毎週火曜日に新エピソードが配信される。(フロントロウ編集部)