R.ケリーに禁錮30年の判決が言い渡される
米ニューヨークの連邦地裁は、現地時間6月29日、未成年を含む女性への性的虐待や性的目的の人身売買などの罪で、R&BシンガーのR.ケリーに禁錮25年以上の求刑を上回る禁錮30年の判決を言い渡した。さらに、10万ドルの罰金の支払いを命じた。
ケリー側は、“深刻で長期にわたる幼少期の性的虐待、貧困、暴力を含むトラウマ的な子供時代を過ごした”ことを理由に情状酌量を求めていたが、裁判所はその要求を退けた。アン・ドネリー連邦地裁判事は法廷で、「セックスはたしかにあなたが使った武器ですが、これはセックスについての事件ではありません。これは暴力、残酷さ、支配に関する事件なのです」とケリーに語ったと伝えられている。
今回、ケリーは1件の組織犯罪と8件のマン法(※)違反に関連した罪に問われ、そのすべてで有罪判決が出されていた。有罪の判決が下された容疑には数十年前にさかのぼるものもあり、そのなかには、1994年にケリーが当時15歳の未成年だった故アリーヤと結婚するために、イリノイ州職員に500ドル(約5万5千円)の賄賂を支払って偽の身分証を発行させた件も含まれている。また、ケリーは他にも、自身が性病にかかっていることを知りながら性行為をして相手に感染させた容疑や、誘拐、強制労働、児童ポルノを制作した容疑でも告発されていた。
※マン法(Mann Act):売春を目的とした女性の州間の移動を禁止する法律。
ちなみに、ケリーは2019年以降、一度も保釈されることなく刑務所に収監されている。今回の件とは別にシカゴでも児童ポルノと公務執行妨害の罪に問われており、8月15日から裁判が始まる予定となっている。
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(フロントロウ編集部)