ヘンリー王子&メーガン妃は中絶の権利を奪う判断をどう見た?
イギリス王室のヘンリー王子と結婚する前から熱心に女性の権利及び地位向上を訴える活動に参加し、フェミニストを公言するメーガン妃が、米Vogueでフェミニズム運動の活動家グロリア・スタイネムと対談し、米連邦最高裁が「中絶の権利を認めない判断」を下したことに対する夫ヘンリー王子の反応を明らかにした。
フロントロウでお伝えしたが、現地時間6月24日、米連邦最高裁は人工妊娠中絶を認めた1973年の「ロー対ウェイド」の判決を覆す決定を下した。今後、中絶をめぐるルールは各州に委ねられることになり、全50州のうち20以上の州で中絶が禁止される見通しとなっている。中絶が違法となった州で暮らす女性が中絶手術を受ける場合は、中絶が合法の州に行く必要がある。
メーガン妃は、「彼(ヘンリー王子)はフェミニストです。(最高裁の中絶の権利を認めない判断を知った)彼の反応は私と同じで、喉から声をしぼり出すのがやっとでした」と言うと、「今この瞬間も、そしてその先も、男性は声を上げる必要があります。なぜなら、これらは人間関係、家族、地域社会全体に影響を与える決定だからです。彼らは女性をターゲットにしているかもしれませんが、その結果は私たち全員に影響を及ぼします。この数日、夫とそのことについてよく話し合いました」と、例の判断が下されて以来、ずっとその話をヘンリー王子としていることを明かした。
続けてメーガン妃は、最高裁の判断を受けて、戦い続けることの重要性を感じているとも語った。
「今こそ団結が必要です。人々の声に耳を傾け、女性が二流市民であった時代に憲法が作られたことを理解してください。私たちはそうではありません。ある種の変革が必要なのです。私は彼女(グロリア)の隣でバトンを持っていることに感謝し、これからも一緒にこの仕事を続けていくつもりです」。こう話すメーガン妃は、「私は、つねに希望を持って物事を見ています。もしあなたが、もっと良いものがあると心から信じている人なら、不正を目の当たりにしている人なら、選択肢があります。自己満足に浸りながらただそこに座って見ているかわりに、『この向こう側に行くために、私に何ができるだろう?』と言うこともできます」と、傍観者になるのではなく行動を起こすよう呼びかけている。
現在のアメリカの最高裁は6対3で保守派に偏っており、その判事を選んだのは選挙によって選ばれたリーダーたち。アメリカで今起きていることは、投票という行為が巡り巡ってどれだけ国民の生活だけでなく権利にまで影響を与えるかをあらわしている。この件は、自国のリプロダクティブ・ライツ(※)の制度に目を向けて、適切な変化を起こしてくれるリーダーを選ぶきっかけにするべきではないだろうか。
※子どもを産むか産まないか/いつ何人の子どもを産むかを自分で決められることに加え、妊娠・出産・中絶に関して十分や情報やケアを得られる権利。
(フロントロウ編集部)