アメリカで大絶賛の嵐となっているリア・ミシェル主演のミュージカル『ファニー・ガール』。しかし『glee/グリー』の共演者であるクリス・コルファーらからは辛辣なコメントが。背景にある、『glee/グリー』の現場騒動を解説。(フロントロウ編集部)

リア・ミシェルのブロードウェイ『ファニー・ガール』が大ヒット中

画像1: リア・ミシェルのブロードウェイ『ファニー・ガール』が大ヒット中

 リア・ミシェルが9月6日から主演しているブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール(Funny Girl)』。9月6日の初公演はインターミッション前に4回もスタンディングオベーションが起こるほど盛り上がり、The New York TimesやVarietyなど全米各紙がリアのパフォーマンスを絶賛。

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 チケットの売り上げも凄まじく、リアの起用が発表されると、チケット購入サイトSeatGeekでは2,500ドル(約37万円)まで価格が高騰。『ファニー・ガール』は4月~9月まで別主演(ビーニー・フェルドスタイン)で上演されてきたが、リアがデビューした週には前週の約66万ドル(約9,700万円)を大きく上回る約165万ドル(約2.4億円)のチケット売り上げを記録。The Broadway Leagueが発表しているデータによると、これは『ファニー・ガール』の今回の上演において過去最高額。

 会場にはウワサを聞きつけたセレブの姿もあり、俳優のドリュー・バリモアや、シンガーのオリヴィア・ロドリゴ、デザイナーのマイケル・コースなど、各界から著名人が集まっている。

画像1: ©Lea Michele/Instagram

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『glee/グリー』キャスト、観に行く人・行かない人

 アメリカで大きな話題になっているだけに、ミュージカル好きなキャストが集まる『glee/グリー』のキャストたちには「『ファニー・ガール』を観に行くか?」という質問が飛んでいるのだが、実際に会場に足を運んだ人もいれば、冷たい反応をする人もいて、元仲間の間でリアクションは分かれている。

 まず、 『glee/グリー』時代からリアの才能を絶賛して彼女を寵愛してきたクリエイターのライアン・マーフィーは初演に参加してリアにスタンディングオベーションを贈っていた。そのほかに、ブレイン役のダレン・クリス、キティ役のベッカ・トビン、ジェシー役のジョナサン・グロフが観劇に行ったことが現時点で確認されている。

画像2: ©Lea Michele/Instagram

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 一方で、現在は作家として大成功している、カート役のクリス・コルファーはラジオ番組『The Michelle Collins Show』で司会者に「今夜私が何をするか当てて。あなたも(NYに)いるなら一緒に行こうよ」と言われると、「イヤだ、『ファニー・ガール』を観に行くの?」と言って、司会者がそうだと答えると、嫌そうな声で「へー」と反応。そしてその誘いを断るために、「今、自分は一気に忙しくなったよ」と続けた。あまりの辛口コメントに司会者が「ワオー!ノー、クリス!ストップ!」と絶叫すると、「昨日『シックス』を観て、あれはすごく良かった」と、ブロードウェイ・ミュージカルは観ていることを告白。その後司会者に「(NYに)いる間に観ないってことだよね?」と念押しされると、「わざわざ行かなくても、十分トリガーされているから」と、リアとの関係がトラウマであることを示唆する発言をした。

 アーティー役のケヴィン・マクヘイルはETのインタビューで『ファニー・ガール』を観るつもりかと聞かれると、「観ないとは言わないですが、わからないですね。正直言うと、(観ようかどうか)考えたことがないです」としたうえで、「(リアとは)かなり長い間話していません。(ティナ役の)ジェナ(・アウシュコウィッツ)とは毎日話していますが、彼女とは長い間話していません。だから、彼女とは『ファニー・ガール』のことは話していないです」と明かした。

 ケヴィンと一緒にセレブ版『ル・ポールのドラァグ・レース』に最近出演したティナ役のジェナ・アウシュコウィッツはETに、「NYに行く機会があれば観に行きます」と語りながらも、「『ファニー・ガール』が始まる前にリア・ミシェルに(応援のために)連絡しましたか?」と聞かれると、「していないです」と言ったあと大笑いし、「私が語るのは、それだけにとどめておきましょう」と意味深な発言をした。

確執のはじまりは2020年の「告発」にさかのぼる

 『glee/グリー』の成功で一緒にブレイクしたキャストたちは、仲が良いことで知られている。2020年にサンタナ役のナヤ・リヴェラが湖で行方不明になったときには、多くのキャストが現場に向かって祈りを捧げていた。とくに、クリスはリアと一緒にプロモ活動をすることが多く、2018年にはエルトン・ジョン主催のアカデミー賞視聴パーティーで一緒にステージに上がっていた。

画像1: 確執のはじまりは2020年の「告発」にさかのぼる

 しかしそんな『glee/グリー』キャストに確執が発覚したのが、2020年に黒人差別に反対するブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動が盛り上がったとき。このとき、リアもSNSに差別に反対する声明を投稿したのだが、これに、シーズン6からジェーン役でドラマに参加したサマンサ・マリー・ウェアが“あなたが言うな”と嚙みついたのだ。

 「爆笑。あなたのせいで、私の初めてのテレビ出演が“生き地獄”になったことを忘れちゃったの?!?! 少なくとも私は一生忘れない。たしか、あなたはできることなら私のウィッグに『糞をしてやりたい』ってみんなに言ってたよね。トラウマになるような自覚なき差別によって、私はハリウッドでキャリアを築くこと疑問を感じるはめになった…」

 こう告発したサマンサはその後、具体的にどのようなことをされたかを詳細に明かした

画像2: 確執のはじまりは2020年の「告発」にさかのぼる

 サマンサの告発に対して、撮影当時に唯一リアの不適切な行動に声をあげていたというサンタナ役のナヤ・リヴェラがリアに対するフォローを外したほか、デス役のアンバー・ライリーやマーリー役のメリッサ・ブノワ、ユニークことウェイド役のアレックス・ニューウェルらがサマンサの告発を認めるような行動をSNSで取り、ヘザー役のヘザー・モリスは、「彼女(=リア)と一緒に働くのは不快だったかって?まさにその通り。ずいぶん長いこと周りの人たちを蔑んできたことに対して、リアは報いを受けるべきだと思う。けれど、それを黙って見過ごしてきた私たちにも責任はある。これまで私たちは“声を上げる”ということをしてこなかったけど、今、社会全体がそのことを学んでいる過程にある」などと、ばっさりとコメントした。

 関係者や友人からも“人種差別者は言い過ぎだけど、間違いなく性格が悪いと言える言動が多かった”という指摘をされたリアは、長文の謝罪文を投稿。「私は、自分の行いや、それによって引き起こしてしまった苦痛について謝罪します」などと謝ったのだが、その中で、「不適切だと受け取られてしまった」と、受け取り方に少なからず問題があるような口調があることが新たな火種を生んだ

 今回のリアの『ファニー・ガール』出演について、最初に告発を行なったサマンサは起用が発表された日に、「はい、今日私はオンラインにいます。はい、皆さんを見ています。はい、気になります。はい、私は影響を受けています。はい、私は人間です。はい、私は黒人です。はい、私は虐待されました。はい、私の夢は汚されました。そう、ブロードウェイは白人を支持する。そう、ハリウッドも同じです。そう、沈黙は加担です。そう、私は声が大きいのです。そう、私は(再び過去に戻っても)また同じことをします」とツイートした。

 カルト的人気ドラマでありながら、主演リア・ミシェルと他キャストの確執のほか、これまでに、フィン役のコリー・モンティス、パック役のマーク・サリング、サンタナ役のナヤ・リヴェラという3人のメインキャストたちが亡くなっている『glee/グリー』。2022年10月には、論争や悲劇にもスポットライトを当てるドキュメンタリーの制作が判明した。(フロントロウ編集部)

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