『ブラックパンサー』の“スゴさを振り返る”
前作の『ブラックパンサー』は、全世界興行収入が13億ドルを超えるというとてつもない偉業を達成。映画批評サイトのロッテントマトでも『アイアンマン』『ダークナイト』という、アメリカン・コミックス原作映画の中でもファンから特に高い支持を集めている2作品の満足度94%を優に超える97%という驚異的な評価を獲得した。
マーベル・シネマティック・ユニバースは、これまでに世界を熱狂させる素晴らしい作品を生み出してきたが、その中でも『ブラックパンサー』シリーズは一際異彩を放っている。1作目『ブラックパンサー』はスーパーヒーロー映画史上初のアカデミー賞作品賞にノミネートされ、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞の3部門を受賞し、世界中を驚かせた。
さらにケンドリック・ラマーのインスパイアアルバム『Black Panther: The Album』は、ケンドリックのバックグラウンドとブラックパンサーの物語がリンクし、分断ではなく団結を望む想いが人々の胸に深く刺さり、グラミー賞最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム賞を受賞。先日開催されたディズニーファンイベントD23Expoでも、ブラックパンサーを演じた故チャドウィック・ボーズマンがアイアンマンを演じたロバート・ダウニーJr.も名を連ねる、ディズニー・レジェンド・アワード入りを果たした。このディズニー・レジェンド・アワードとは、1987年に設立された、ウォルト・ディズニー・カンパニーに多大なる貢献をもたらしたスタッフやアーティストを称える賞で、チャドウィックと「ブラックパンサー」は名実ともにその歴史に名を刻んだ。
輝かしい功績を残してきた『ブラックパンサー』だが、華々しい賞や興行収入を獲得したのには、様々な理由がある。まず、MCUの他作品とのリンクが少ないため単体作品として楽しめることと、近未来の技術や洗練されたアクションを堪能できること。この2つのポイントは元々のファンに加え、これまでMCU作品を見たことが無い層にも広く人気を博す一因となった。また、もうひとつの大きな要因は、black時代が求める“多様性”を色濃く描いたところにある。黒人クリエイターが集結して作られた、MCU史上初の黒人ヒーローの映画で、長く鎖国を続けてきたワカンダの新国王に就任したティ・チャラは国際社会との関わり方に向き合い、葛藤する。彼の物語はリアルの世界ともリンクし、人種、性別、国籍やセクシュアリティや価値観など多くの観点で、「他者との違いを認め、団結する」という揺るぎのないメッセージを伝えてくれた。また、ティ・チャラを支える女性戦士もシリーズの人気を支える大切な存在だ。ティ・チャラの妹で天才科学者のシュリや、ティ・チャラ亡きワカンダをけん引する存在であろう最強の戦士オコエ、ティ・チャラの母ラモンダなど、物語の重要な鍵を握る女性キャラクターたちの活躍が、多くの支持を集めることとなった。
多くの要因によって全世界で多くの人々から愛された『ブラックパンサー』。最新作となる『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では、どんな物語をみせてくれるのか。まさに世界中が大きな期待を胸に公開の時を待っている。残された者たちは国王不在のワカンダに迫る危機を回避できるのか?新しいブラックパンサーを務めるのは誰なのか?2022年11月11日に新たな歴史が誕生する。1作目『ブラックパンサー』はディズニープラスで配信中。