家事育児のワンオペは専業主婦でも厳しい、ある母親の経験
2歳の子どもを育てているジェンさんは、専業主婦。片方の親が専業主婦/主夫なら、子どもを幼稚園や保育園に行かせなくて良い、ナニーはいらないといった意見が聞かれることは多々あるが、子どもと四六時中一緒に過ごし、そこに加えて家事や雑用をこなすことは、精神的にも肉体的にもつねにオーバーワーク状態が続くことになる。だから、必要なら助けを得られることは重要。
そのため、ジェンさんはフルタイムのナニーを雇っている。英Mirrorの取材で、その選択が家族にとって可能であったことは「計り知れないほど恵まれている」と話す彼女は、そのメリットについて、「フルタイムのナニーがいることで、私は家族が必要とすることをすべて行なっていても、最高のママでもいられるためのエネルギーと忍耐力も持てます」と説明した。
彼女がナニーを雇うことにしたのは、「母親として、娘のために全力でいたい」という思いがあったからだという。「一緒に遊び、娘が必要とする親の関心を与えてあげたい。ナニーがいない時の私は余裕がない感じがしますし、他のことを後回しにしたり、夜やるようにしたりしなければいけなくなる。その状況では、娘を全力でかまってあげることは難しいです」と話すジェンの気持ちは、多くの親が理解できるはず。
彼女の1日は、朝の5時半に始まる。ナニーが来る9時半までの間、1日の準備や朝ごはんの準備、犬の散歩や家での運動に時間を使うそう。ナニーがいる間は自宅の別室でその日のタスクの進捗状況について確認し、細々した雑務をこなし、昼休みは子どもと過ごすという。その後ナニーが帰宅して子どもが寝るまでの間は子どもと遊んだり、家の掃除をしたりして、子どもが寝た後は夕食を食べ、リラックスした時間を過ごすという。
ジェンは家で仕事をすることもあるため、専業主婦ではないと言われることもあるが、彼女自身は今のところ自分の肩書きは専業主婦だと話した。
子どもは夜中に起きることも多いため、親は24時間スタンバイできている状態でいる必要ある。他の労働で考えた場合に、1人で24時間365日仕事をしなければならないとなれば問題であることは明らかで、専業主婦/主夫であっても、少なくとも本人が必要とするサポートを得られることは重要。
また、育児休暇を“休み”と捉え、リスキリングを勧める人もいるが、本人は四六時中育児に追われており、ジェンのようにフルタイムのナニーを雇う選択をする人もいるぐらいの大変な日々であることを、まずは認識すべき。
一時的に専業主婦になるつもりが、その結果子どもを入れられる保育園や幼稚園が見つからず、仕事を探せなくなるという状況になってしまう親もおり、長年当事者から求められている適切な育児支援も早急に取り組まれるべきである。
(フロントロウ編集部)