ドレイクとキッド・カディの長年にわたる確執は、カニエ・ウェストの誕生日パーティーがきっかけだとするラッパーのコンシークエンスの発言が話題に。2組がずっと抱えていた確執を、カニエとの数奇な関係にも触れながら解説。(フロントロウ編集部)

ドレイクは「フェイク」とキッド・カディがツイート

 コンシークエンスはカニエの誕生日パーティーが開かれた年を明らかにしていないが、少なくともキッド・カディとドレイクの確執は少なくとも「Pursuit of Happiness」がリリースされる2009年以前に始まり、その後も続くことになった。

画像: 2009年に開催されたアメリカン・ミュージック・アワードでジェレマイ(右)と共に登壇したドレイク(左)とキッド・カディ(中央)。

2009年に開催されたアメリカン・ミュージック・アワードでジェレマイ(右)と共に登壇したドレイク(左)とキッド・カディ(中央)。

 キッド・カディは2016年に、「みんな奴らを最高だと思っているみたいだけどな。トップ5の連中のことを言ってる。30人が奴らのために曲を書いているんだよ」とツイートして、シーンで5本の指に入るようなラッパーたちは自分で曲を書かずに他の人たちを使っていると批判。

 「フェイクな奴らはそう長くは続かない。奴らは俺のことを懸念してる。なぜなら、奴らがやってるダサいことを俺が気にかけていないって知っているからだ」と続けたキッド・カディは、その後のツイートでドレイクやカニエらを名指しして批判した。

 その後、ドレイクは一連のツイートを受けて、楽曲「Two Birds, One Stone」のなかでキッド・カディが抱えていたメンタルヘルスの問題を揶揄。キッド・カディはそれに対し、「面と向かって言ってみろよ」とツイッターで反撃。当時メンタルヘルスの治療のためにリハビリ施設に入院していたキッド・カディは、「これが遊びだと思ってるんだろ。お前に会いに行くから面と向かって言えよ」と施設からツイートして、ドレイクを挑発した。

カニエ・ウェストとも確執を抱えていたキッド・カディ

 一連のツイートでカニエも名指しして「フェイク」とディスったキッド・カディだが、彼はこの頃カニエとも確執を抱えていた。キッド・カディは2008年にカニエのレーベルであるG.O.O.D. Musicからデビューしたが、2013年にレーベルから離脱。この時にはカニエについて「兄」のような存在だと敬意を表していたが、同年にリリースされたカニエのアルバム『イーザス』に自身のパートが無許可で使われたとして、事前に連絡をくれるべきだったとツイートした。

画像: カニエ・ウェストとも確執を抱えていたキッド・カディ

 そして2016年にキッド・カディはカニエを「フェイク」だとディス。しかしながら、カニエはキッド・カディを許す姿勢を見せており、同年に行なっていた「セイント・パブロ」ツアーの公演中に行なったMCで「この10年で最も重要なアーティストにして、最も影響力のあるアーティスト」だとキッド・カディを称えて、「彼が元気にしていることを願っているよ」と優しさを見せた。

 カニエはその後、同ツアーの公演にキッド・カディをゲストとして招いて彼と共演。キッド・カディにとって、リハビリ施設を退院後初のステージがカニエと共演したステージとなった。

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