ケイト・ウィンスレットが“台本なしの即興演技”に挑戦
“分岐点にいる女性の物語”をテーマに、1話ごとのテーマをそのエピソードの主演女優が監督と決め、セリフは台本なしの即興演技という、主演女優が制作をリードするユニークな手法が業界でも話題を集めている、アンソロジードラマ『I AM 私の分岐点』。
そんなシリーズの最新作『I AM ルース』で主演を務めるのは、オスカー女優のケイト・ウィンスレット。ソーシャルメディアに依存して日常生活に亀裂が入り始めている10代の娘との難しい関係を、実の娘ミア・スレアプレトンと共演して描く。
監督のドミニク・サヴェージとの対話を重ねる中で、10代のソーシャルメディア依存やメンタルヘルスを取り上げることを思いついたというケイト。視聴者に「これは自分の物語だ」と思い共感して欲しいと語るケイトは、メディアでは見落とされがちな、現実の10代やその親が抱える悩みに焦点をあてることで、それぞれが一歩踏み出すきっかけになってほしいとインタビューで話した。
実の娘であるミアは過去にケイトの出演作に端役で出演したことはあるが、本格的な親子共演は本作が初。2018年から演技を始めた彼女は、当初は“ケイト・ウィンスレットの娘”ということを隠して活動し、2020年に映画『Shadows(原題)』で主役に抜擢されるなど、着々とキャリアを積んできた。そんな彼女たちが本作でついに、親子ではなく役者として向き合うことに。しかも本シリーズの台本で決められているのは、シチュエーションや大筋だけ。本番では役者の即興演技をもとにキャクターを表現する手法で撮られているため、ミアはオスカー俳優の母を相手に俳優としての大きなチャレンジに挑むことになる。
ケイトは実の娘との親子役での共演について、「どこまでが現実でどこまでが物語かの境界があいまいになった」と話す一方で「親として守らなければという本能も忘れて」演技に取り組めたとも振り返っており、この2人だからこそ出せた真っすぐでリアルな質感には注目だ。
2022年12月に英国で公開された本作は、Rotten Tomatoesの批評家票100%という驚異の高評価を記録(2月13日時点)。「非常に深く激しい作品(タイムズUK)」、「もう次回作が楽しみだが、まずはこの作品の衝撃から回復する時間が必要だ(ガーディアン)」、「ケイト・ウィンスレットの素晴らしさが再び証明された(デイリー・メールUK)」、「ケイト・ウィンスレットは近年最高の演技を魅せた(フィナンシャル・タイムズ)」と英国主要各紙も大絶賛している。
1話約90分という映画並みの重厚感のある『I AM ルース』は動画配信サービス 「スターチャンネルEX」にて、字幕版が3月27日(月)より、吹替版が4月より配信開始予定。また5月には、BS10 スターチャンネルでも放送が予定されている。(フロントロウ編集部)