出演を懇願した映画は『レ・ミゼラブル』とコレだけ
映画『The Son/息子』に父親ピーター役で主演するヒュー・ジャックマンは、ある日、エージェントから送られてきた『The Son/息子』の原作戯曲を読んで、すぐに電話でエージェントに出演したい旨を伝えたという。
「今までにあまりなかった経験だ。これまでのキャリアのなかで積極的に追いかけた作品は『レ・ミゼラブル』だけだった」とインタビューで明かしたヒュー。
監督と面識がないにもかかわらず、次のようなメールを直接送ったという。「私はあなたが他の俳優も探していると聞きました。私はダンスに割り込むような人間ではありません。もし、他の誰かと踊っているのであれば、それは素晴らしいことですし、幸運を祈ります。ですが、もしチャンスがあるのであれば…。興味があるだけでなく、参加したいと思っているし、本気でこの役を演じたい」。
ヒューがここまで出演を熱望するストーリーとはどのようなものなのか?
『The Son/息子』のテーマは「メンタルヘルスx家族」
『The Son/息子』の中心にあるテーマは、メンタルヘルスの問題。
新しい妻(ヴァネッサ・カービー)と幸せな生活を送っていた弁護士のピーター(ヒュー・ジャックマン)は、ある日元妻のケイト(ローラ・ダーン)と同居している17歳の息子ニコラス(ゼン・マクグラス)から、「父さんといたい」と懇願される。そうして、ずっと距離のあった息子と向き合うことになったピーター。しかし人間は完璧ではない。失敗しない完璧な親などいないし、手の全くかからない子どももいない。『The Son/息子』では、互いを理解していると信じ、ごく当たり前の日常を送っていた家族に突然起こる異変を軸に、そんな人間らしさと人生の複雑さを描く。
この物語への情熱で主演を勝ち取ったヒューは製作総指揮も務めることに。作品のテーマへの思いを「多くの人々が、自殺、うつ病、不安症の問題に悩んでいる。その原因は、少し話し合っただけで分かるほど単純ではないが、話すことが重要なんだ。話題に出すべきなんだ。『The Son/息子』のような映画は、会話を始める重要なきっかけになると思う。僕は、このテーマをここまで知的に、美しく、そしてはっきりと描き出しているこの作品に参加できて、誇らしい気持ちだ」と語った。