オスカー候補のミシェル・ヨーに“ルール違反”を指摘する声
日本で『エブエブ』の略称で知られる映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー主演女優賞にノミネートされたミシェル・ヨーがインスタグラムでシェアした米Vogueの記事の内容が、アカデミー賞の規則に違反している可能性があるとして波紋を呼んでいる。
ミシェルがインスタグラムに投稿した記事のタイトルは「非白人の(アカデミー賞の)主演女優賞受賞から20年以上が経った。2023年にそれは変わるのか?」で、「ケイト・ブランシェットのパフォーマンスの方が印象に残ったという人もいるだろう。このベテラン俳優が演じた指揮者のリディア・ターは文句なしに素晴らしい。しかし、注目すべきは、彼女は過去に2度のアカデミー賞を受賞しているということだ。3度目の受賞を果たせば、彼女は業界で絶対的な地位を確立することになるだろうが、彼女のこれまでの実績と広範にわたる作品を考慮すると、これ以上、実力を証明する必要があるだろうか?一方、ミシェル・ヨーにとっては、アカデミー賞は人生を変えるものになる。彼女の名前の前には、永遠に『アカデミー賞受賞者』というフレーズがつくことになる。また、ハリウッドで10年間も酷使されてきた彼女が、より良い役を手にすることになるだろう」といったことが書かれていた。
そして今、この記事をミシェルが引用投稿したことが、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーのルール、第11条「References to Other Nominees(他の候補者への言及)」に違反している可能性があると指摘する声があがっている。なお、第11条には「競争する人物や作品を名指しで攻撃するような戦術は禁止する」と記されており、「本規定に違反したことが判明したアカデミー会員は、初めてであれば1年間の会員資格停止、それ以外の場合は除名処分とする」とも書かれている。
問題の投稿はすでに削除されており、現時点では映画芸術科学アカデミーもとくに反応していない。授賞式まであと数日ということもあり、ミシェルに何らかの処分が下されることを心配する声もあるが、米Varietyは、ミシェルと一緒にアカデミー主演女優賞にノミネートされている映画『To Leslie(原題)』のアンドレア・ライズボローも、選考過程で懸念すべき行為があったことが明らかになるも“お咎めなし”だったことから、ミシェルも安心して大丈夫だとしている。(フロントロウ編集部)