コンタクトを装着して就寝するのがNGなワケ
視力を矯正するコンタクトレンズは、寝るときは外しましょうというのが基本的なルールとして浸透。連続装用タイプと呼ばれるごく一部のタイプを除いて、ソフトやハード、またはカラーコンタクトなどを就寝前には必ず外しているという人が多いはず。

でも昼寝などふいに寝てしまったときでも、少しゴロゴロするかな?程度の違和感で済むことも多いため、つけたまま寝るのがNGだと実感しにくい。コンタクトを装着したまま寝てはいけないのはなぜなのか、眼科医の解説をご紹介。
酸素不足で目のトラブルに!
コンタクトレンズを装着した状態で寝てはいけない最大の理由は、角膜の酸素不足によるトラブルが起こりやすくなるから。
ニューヨーク州立大学のバッファロー校で眼科教授を務め、網膜に関する研究を行なっている眼科医のジェームズ・レイノルズ医師は、「寝ている間もコンタクトレンズを外すことなく着用し続けると、角膜に酸素が届かない状態が続き、深刻なトラブルを引き起こすことがあります」と米Healthで説明。

そもそもコンタクトレンズの装着中は、角膜に必要な酸素が届きにくい状態。それによって損傷が起こる場合があるものの、毎日きちんと外すことで自然に修復されていくのだという。でも外さずに装着し続けることで修復されず、酸欠状態が続いてしまう。
さらに睡眠中は瞬きによる涙の生成もストップすることでより乾燥しやすくなり、角膜炎といったトラブルや視力の低下などを招くことがあるそう。
細菌の繁殖によってもトラブルが起こりやすくなる
コンタクトをつけたまま寝てしまうと、細菌が繁殖することによってトラブルが引き起こることも。レイノルズ医師は、「コンタクトレンズを装着していると、細菌や小さなゴミが付着することがあり、寝ている間もつけ続けることでその細菌が繁殖しやすくなります」と説明。
とくに寝ている間はまぶたを閉じている状態が続くため、細菌にとって繁殖しやすい環境なのだという。これにより角膜にダメージを与え、角膜炎や目の感染症などのトラブルが起こることがあると明かした。

【おまけ】装着したまま寝てしまったときには?
うっかりコンタクトをつけたまま寝落ちしてしまったときなど、外し忘れたときにはどうするのが正解なのか? レイノルズ医師は、ひとまず目を休ませることを推奨。
レイノルズ医師は、「とくに違和感がなかったとしても、ダメージを負っている可能性もあるので、コンタクトを外して目薬を差し、最低1時間は外した状態を維持してください」とアドバイス。

ちなみに昼寝の際にもつけっぱなしはNGなのかというと、リスクはゼロではないためできるだけ外したほうが理想的ではあるものの、短時間の睡眠であれば基本的にはつけっぱなしでも問題ないそう。
コンタクトをつけたまま寝てはいけない理由。実際につけっぱなしの状態を続けて大きなトラブルになった例も少なくないため、もし外さずに寝ることがあるなら見直すよう意識づけて。(フロントロウ編集部)