2022年にアンダーソン・パークのレーベルからデビューしたデュオ、ドミ&JD・ベック。同年度の第65回グラミー賞では主要部門である最優秀新人賞を含む2部門にノミネートされ、2023年5月に伝統あるブルーノート東京で初の来日公演として行なわれる6公演は、発表から間もなくして完売。埼玉県秩父ミューズパークにて開催されるLOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023への出演も控える、ジャズ界に彗星の如く登場した2人に来日直前インタビューを実施し、デビューの経緯から、シルク・ソニックとの共作でのブルーノ・マーズとの秘話、アリアナ・グランデの共演、デビューアルバム『ノット・タイト』まで、様々なことについて訊いてきた。電話越しにも2人の相性の良さがヒシヒシと伝わってきたインタビューで分かった、ドミ&JD・ベックについて押さえておきたい12のコトをご紹介。(フロントロウ編集部)

ドミ&JD・ベックってどんな人?
インタビューで明かした12のコト

1. 出会いは最悪のギグだった

 2000年にフランスで生まれた現在23歳のドミと、2003年に米テキサス州ダラスで生まれた現在20歳のJD・ベックが出会ったのは、2018年1月に共通の友人だったドラマーのロバート・シーライトに招かれて、世界最大規模の楽器展示会であるNAMMショーで共演したとき。「その時のギグは、私たち史上最悪のものになりました(笑)」と、ドミはフロントロウ編集部とのインタビューで笑いながら振り返る。「2人して爆笑してしまったので、改めてちゃんと演奏してみようということで、またLAで一緒にジャムをすることにしたんです」

画像: ドラマーのJD・ベック(左)とキーボーディストのドミ(右)。

ドラマーのJD・ベック(左)とキーボーディストのドミ(右)。

 「そのときに『すごい! めちゃくちゃ上手いじゃん! もっと一緒にやろうよ』ということになって。それから数週間後に、ダラスでJDがエリカ・バドゥの誕生日パーティーで演奏するときに、『君も来なよ』って誘ってくれたんです。そこから一緒に曲を書き始めて、それがファーストアルバムへと繋がりました」。

2. ものすごく正反対で、そっくりでもあるコンビ

 「一方が不得意な何もかもを、もう一方が持ち合わせているという感じです」とドミがJDとの相性の良さについて力強く語ると、JDも「まさしく」と同意する。「ある意味ではものすごく正反対なんですけど、それでいて奇妙にも、そっくりな2人でもあるんです」。

 ドミはさらにこう続けた。「一緒にいるとまさにその中間でいられるというか、多くの共通点を持ち合わせながらも、お互いが持っていないクールな部分をそれぞれが持っています。例えば、私はジャズやクラシックを聴いて育ったのですが、JDはどちらかというとヒップホップやロックを聴いてきました。お互いが組み合わさったときのコンビネーションが、私たちにとってはまさに完璧なんです」。

画像: 2. ものすごく正反対で、そっくりでもあるコンビ

3. 『ファイナルファンタジーX』などのゲーム音楽に影響を受けた

 共にZ世代である2人が共通して幼少期に受けた影響として挙げるのが、ゲーム音楽。「幼少期に2人ともが『ゼルダの伝説』の音楽が大好きでしたし、他にも個人的には、『ファイナルファンタジーX』のサントラは僕が最も好きなサントラの1枚です」とJD。

 「僕らは世代的にも、テレビゲームのカルチャーに囲まれながら育ちました。子どもの頃にテレビゲームをして育ったことが、音楽面でのアイデンティティの形成に繋がったと思っています。ゲーム音楽そのものだけでなく、そのスピード感というものにも影響を受けました。テレビゲームというのはものすごくペースが速いですよね。特に僕らが好きだったゲームはそうだったのですが、そういうものが音楽観に影響を与えました」。

4. JDのファッションは7割が日本人デザイナーのもの

 2人が影響を受けた日本のカルチャーはゲームだけでない。「ショッピングに出かけるようなこともありません。オンラインで買うんです。ツアーに必要だっていうときに、好きそうなものを探すという感じ」とドミが語るように、基本的にはオンラインで服を買うという2人だが、JDはとりわけ、日本人デザイナーが手がける服に惹かれるという。

画像: ©️JD Beck/Instagram
©️JD Beck/Instagram

 「最終的には、少なくとも70%くらいの服が日本のデザイナーによるものになっていると思います。日本のファッションはすごく進んでいますよね。特に、形が素晴らしいと思います。着心地も最高ですしね」。

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