過去にうつ病を経験するも、それが何かわからず、助けを求めることもできなかったというドウェイン・ジョンソンがメンタルヘルスとの向き合い方について語った。(フロントロウ編集部)

ドウェイン・ジョンソンがメンタルヘルスについて語る

 プロレスラーから俳優へと華麗なる転身を遂げ、今やハリウッドきっての売れっ子俳優であるドウェイン・ジョンソンが、ポッドキャスト『Tha Piovot(原題)』で過去にうつ病を経験したときのことを振り返ると同時に、誰かに助けを求めることの大切さを説いた。

 プロレスラーになる前、プロのフットボール選手になることを夢見ていたドウェインは、マイアミ大学の新しいスターになることが確実視されていたが、練習中に肩の靭帯を切ってしまい、シーズンが始まる前からシーズンが終わるまでベンチで過ごすことになった。この怪我が原因で夢を絶たれたドウェインは、数ヵ月間にわたってうつ病に苦しんだ。

 「学校(大学)に行きたくありませんでした。辞める覚悟ができていました。そして、学校を辞めました。中間テストも受けずに去りました。でも、興味深いことに、当時、私はそれが何であるかを知らなかったのです。メンタルヘルスが何なのか、知らなかったのです。うつ病が何なのかも知りませんでした。ただ、ここにいたくないということだけはわかっていました。チームのミーティングにも行かず、何にも参加せず、ワークアウトもしませんでした」

画像: ドウェイン・ジョンソンがメンタルヘルスについて語る

 その後、なんとかうつ病を克服したドウェインだったが、2008年に前妻のダニー・ガルシアと離婚したときに再びうつ病に苦しんだ。しかし、このときもドウェインは自身がどういった状態に陥っているのかきちんと理解していなかったという。それから約10年後、ドウェインは3度目のうつ病を経験した。

 「2017年頃に(うつ病を)少しだけ経験しました。今度はそれが何であるかを知っていました。幸いなことに、『今、俺は不安定な状態で、ちょっとした葛藤を抱えている。(目の前の景色が)ブルーではなく、グレーに見えている』と言って、頼ることができる友人もいました」

 3度目でようやく信頼できる友人に自分が抱えている問題について話すことができたというドウェインは、メンタルヘルスの問題を抱えているときに最も重要なのは「誰かに話す」ことだと力説する。

 「私は長年にわたり、自分を試すような精神的苦痛を克服するためのツールを得るために努力してきました。でも、数年前の私は精神衛生上の問題について何も知らなかったのです。男として、(心に問題を抱えていても)それを口にすることはありませんでした。ただ、黙々と取り組んで、それを乗り越えてきたのです。健康的とは言えませんが、その方法しか知らなかったんです。もしあなたが自分自身のメンタルウェルネス(精神的な健康)がメンタル“ヘル(地獄)”ネスに変わりつつあると感じているなら、一番大事なのは誰かに話すことです。あなたの中に痛みがあるかぎり、問題を解決することはできません。誰かに話す勇気こそが、あなたが持つスーパーパワーです。私は2人の友人を自殺で亡くしました。誰かに話してください。あなたがどう感じていても、あなたはひとりではありません」

 ちなみに、ドウェインは精神的にツラい時間を過ごしていたとき、娘たちの存在が救いになったとも語っている。(フロントロウ編集部)

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