2021年度の第64回グラミー賞で5部門を受賞して同年の最多受賞アーティストとなったジョン・バティステが、待望のニューアルバム『ワールド・ミュージック・レディオ』を8月18日にリリースすることを発表。フロントロウ編集部ではジョンにインタビューを実施し、アルバムのタイトルに相応しく、NewJeansやリトル・ミックスのリー・アン・ピノック、ラナ・デル・レイ、リル・ウェインら世界各地から豪華アーティストたちもゲスト参加している同作についてや、グラミー賞を受賞したディズニー&ピクサーの『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックなどについて語ってもらった。(フロントロウ編集部)

グラミー賞で最優秀ミュージックビデオ賞を受賞した「Freedom」も、『ワールド・ミュージック・レディオ』やシングル「Be Who You Are (Real Magic)」で歌われるような、“自分らしさ”というメッセージが強調されている1曲だと思います。この楽曲やビデオに込めた思いと、このビデオがグラミー賞を受賞したことのご自身にとっての意義を振り返っていただけますか?

自分の出身地であるニュー・オーリンズのレプリゼンテーション(表象)を表現することが好きなんです。あのビデオには、アラン・ファーガソンやジェメル・マクウィリアムスという僕のチームのミュージシャンをはじめ、多くのミュージシャンたちにも出演してもらっていますが、僕らは全員で、“自由(freedom)”という表現に加えて、ニュー・オーリンズのレプリゼンテーションも表現しました。

一方で「Be Who You Are 」というのは、全員がありのままの自分を受け入れ、自分のなかにいるインナー・チャイルドを抱きしめることについての曲です。「Be Who You Are 」の最後のパートには、僕の7歳の甥っ子の声が収録されていますが、インナー・チャイルドとはピュアな方法で繋がっている必要があるのです。「Freedom」は僕にとっての自己表現であり、体を動かすことの自由を歌っていますが、「Be Who You Are 」は、“オーケー。僕は自分に満足できた。次はみんなに語りかけよう”という曲になっています。この2つの曲は、語りかけている視点という点で異なるものになっています。

画像: グラミー賞で最優秀ミュージックビデオ賞を受賞した「Freedom」も、『ワールド・ミュージック・レディオ』やシングル「Be Who You Are (Real Magic)」で歌われるような、“自分らしさ”というメッセージが強調されている1曲だと思います。この楽曲やビデオに込めた思いと、このビデオがグラミー賞を受賞したことのご自身にとっての意義を振り返っていただけますか?

アルバムについても同様です。『ウィー・アー』はジョン・バティステという僕自身の視点から伝えていますが、『ワールド・ミュージック・レディオ』はビリー・ボブ・ボバーや全世界、全宇宙の視点で、空間や時間を押し拡げながらそうした要素を一つにするというものになっています。

このときのグラミー賞ではディズニー&ピクサーの『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックでも受賞しました。振り返ってみて、この作品のサントラを手がけたことはご自身のキャリアにどのような影響を与えたと感じていますか?

ピクサーをトップに、素晴らしいテクノロジストやアニメーター、デザイナー、ライターが集結した特別なチームが、ジャズ・コミュニティとシネマ・コミュニティ、そして子どもたちのエンターテイメントに携わる人々のコミュニティを繋げてくれました。美しくてオープンなコラボレーションでしたし、僕は自分なりのやり方で取り組むことができました。おかげで、僕は最大級のステージで、ジャズの文脈を通した自分らしさを表現することができたのですが、それは通常、ジャズにおいては実現しないような機会でした。

あのような機会をいただいたおかげで、僕は大きなリスクを取って、典型的なスコアとは違う形で表現しました。(共にサウンドトラックを手がけた)トレント・レズナーやアティカス・ロスとの作業もそうです。僕らは共に独自のものを創り上げました。そしてそれは僕が常に望んでいることでもあります。僕は自分が何に取り組むにあたっても、境界線を拡げたいと思っていますし、易しい道は選びたくないと思っています。そういうわけで、あのような形でそれが報われたことを嬉しく思っています。

画像: ジョン・バティステとトレント・レズナー(中央)、アティカス・ロス(右)が手がけた『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックは第93回アカデミー賞で作曲賞も受賞した。

ジョン・バティステとトレント・レズナー(中央)、アティカス・ロス(右)が手がけた『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックは第93回アカデミー賞で作曲賞も受賞した。

 グラミー賞の年間最優秀アルバム賞を受賞した『ウィー・アー』以来となるジョン・バティステのニューアルバム『ワールド・ミュージック・レディオ』は8月18日にリリースされる。


<リリース情報>
ジョン・バティステ
『ワールド・ミュージック・レディオ』
2023年8月18日(金)リリース
SHM-CD:UCCV-1197 2,860円(税込)

画像: このときのグラミー賞ではディズニー&ピクサーの『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラックでも受賞しました。振り返ってみて、この作品のサントラを手がけたことはご自身のキャリアにどのような影響を与えたと感じていますか?

収録曲目:
1. ハロー、ビリー・ボブ
2. レインダンス (ft. ネイティブ・ソウル)
3. ビー・フー・ユー・アー (ft. J.I.D、NewJeans、カミーロ)
4. ワーシップ
5. マイ・ハート (ft. リタ・パイエス)
6. ドリンク・ウォーター (ft. ジョン・べリオン、ファイヤーボーイDML)
7. コーリング・ユア・ネーム
8. クレア・ドゥ・ルーン (ft. ケニー・G)
9. バタフライ
10. セブンティーンス・ワード・プレリュード
11. アンイージー (ft. リル・ウェイン)
12. コール・ナウ (ft. マイケル・バティステ)
13. シャソル
14. ブーム・フォー・リアル
15. ムーヴメント・エイティーン (ヒーローズ)
16. マスター・パワー
17. ランニング・アウェイ (ft. リー・アン)
18. グッバイ、ビリー・ボブ
19. ホワイト・スペース
20. ホエアエヴァ―・ユー・アー
21. ライフ・レッスン (ft. ラナ・デル・レイ)

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