オリヴィア・ロドリゴに続いて、第65回グラミー賞で主要部門の最優秀新人賞を受賞し、同賞を12年ぶりにジャズ界にもたらしたサマラ・ジョイにインタビュー。『ハイスクール・ミュージカル』が大好きなディズニー・チャンネルっ子だったという幼少期のエピソードから、サマラらしいジャズ論、そして、日本で衝撃を受けたというチップスとの出会いまで、世界で最も注目すべき新人の1人であるサマラの素顔やアーティスト性が見える12のポイントにまとめた。(フロントロウ編集部)

9. 物語の「会話」を意識した歌詞

 『リンガー・アワイル』には、「自分が好きなスタンダード曲たち」を収録したと話すサマラ。ジャズの世界においては、長きにわたって愛されてきたスタンダードとされる楽曲をカバーすることは定番だが、サマラが歌うバージョンを彼女にしか作れないユニークなものにしている要素の一つは、彼女がスタンダード曲に付け加える、まるでリスナーに語りかけているかのように歌われる会話劇のような歌詞。

 歌詞を書くのは「まだ始めたばかり」だと話すサマラは、「インスピレーションの源は読書」だと明かす。「作家が書く2人の登場人物による会話から、私と、もう1人の人物の会話を思い浮かべるんです。歌詞は会話のようなものにしたくて。スムーズに流れていって、オーディエンスやリスナーの人たちの頭にスッと入っていくようなものにしたいと思っています」と、歌詞へのアプローチ方法について教えてくれた。


10. 初めてのホリデーEPには家族とのクリスマスの思い出が詰まっている

 10月27日には、初のホリデーEPとなる『A Joyful Holiday(ア・ジョイフル・ホリデー)』もリリースしたサマラ。「私がクリスマスについてどう感じているかについての短い声明のようなEPで、クリスマスの定番曲から、家族との思い出まで収録しています」と話す同作では、ミュージシャンとして活動するサマラの家族が大集合して、家族での共演も実現している。

 スティービー・ワンダーの「Twinkle Twinkle Little Me」や、「Warm in December」など、クリスマスの名曲ばかりが収録されている同作だが、サマラがその中でもお気に入りとして真っ先に挙げてくれたのは、やっぱり家族と共演した「O Holy Night」だった。

 「お気に入りを選ぶとしたら、『O Holy Night』です」。サマラはそう語ると、その理由について次のように教えてくれた。「この曲は2人のいとこと、私の兄弟、父、それから叔父とスタジオに入って、家族で一緒に歌いながら収録したのですが、それってまさに、いつも家族でクリスマスに家でやっていることなんです。なので、今回こうやってレコーディングできたのは嬉しかったですね。美しい曲になったと思いますし、93歳の祖父が2番のヴァースを歌っています。オルガンを担当してくれたサリヴァン・フォートナーも最高ですし、私のお気に入りの1曲です」


11.ファッションはヴィンテージなものが好き

 ティファニー(Tiffany & Co.)がスポンサーを務めた、今年のロサンゼルス現代美術館(MOCA)で開催されたMOCAガラに出席するなど、ファッション界からも注目が集まっているサマラ。

画像: 11.ファッションはヴィンテージなものが好き

 普段はどちらかというとヴィンテージなスタイルを好んで着ているそうで、「古着屋さんでショッピングするのが好きです。ヴィンテージものを売っているような!」とサマラ。「そこで私らしいスタイルに合う、おしゃれでクールなアイテムを見つけるのが好きです」

 ちなみに、今回のインタビューでは「実は、まだあまり言えることはないのですが、もうすぐファッションブランドとのパートナーシップを発表する予定なんです。今はそれに取り組んでいます」ともチラッと教えてくれたのだが、インタビューから数日後に、セオリー(Theory)のホリデーキャンペーンに起用されたことが発表に。これからどんどんファッション界でも注目を高めていきそうな予感が漂っている。


12. 日本で出会った「エビのガーリックチップス」が忘れられない

 2023年4月には初来日して、日本での初パフォーマンスとなる一夜限りのショウケースを開催。その稀代のパフォーマンスで、完全招待制だったショーケースを訪れた幸運な日本のファンを大いに魅了したサマラだが、初めての日本滞在で特に印象に残った思い出を訊くと、「忘れられないのは、エビのガーリックチップスです! 本当にもう、めちゃくちゃ美味しかったので。『どうやってガーリックシュリンプをチップスにしたの?』って、感動してしまいました」と、意外なエピソードを教えてくれた。

画像1: 12. 日本で出会った「エビのガーリックチップス」が忘れられない

 とりわけ、日本の食べ物には魅了されたそうで、サマラは「それからお酒もお寿司もたくさん楽しみました。また日本に行ったときは堪能したいです」と、早くも次の来日を見据えていた。

 そして、インタビューの最後に日本のファンへのメッセージをお願いすると、サマラはメッセージを次のように送ってくれた。「日本のファンのみなさん、大好きです! みなさんの音楽への愛も、スタイルやファッション、音楽で自分らしさを表現しているところも最高! 会える日を楽しみにしています。(日本語で)ありがとう!」


<リリース情報>
サマラ・ジョイ
EP『A Joyful Holiday』
配信中
ストリーミングやダウンロードはコチラ

画像2: 12. 日本で出会った「エビのガーリックチップス」が忘れられない

収録曲目:
1. Warm In December
2. Twinkle Twinkle Little Me ft. Sullivan Fortner
3. The Christmas Song
4. Have Yourself A Merry Little Christmas
5. O Holy Night
6. The Christmas Song (Live)


『リンガー・アワイル・ロンガー・ジャパン・スペシャル・エディション』
2023年11月1日 リリース
SHM-CD:UCCV-1198 ¥2,860(税込)
Verve/Universal Music
発売中
ストリーミングやダウンロード、購入はコチラ

画像3: 12. 日本で出会った「エビのガーリックチップス」が忘れられない

収録曲目:
1. キャント・ゲット・アウト・オブ・ディス・ムード (デュオ・ヴァージョン)
2. ゲス・フー・アイ・ソウ・トゥデイ (ニュー・トリオ・ヴァージョン)
3. スィート・パンプキン (デュオ・ヴァージョン)
4. アイ・ミス・ユー・ソー
5. アイム・ゴナ・ロック・マイ・ハート
6. サムタイムス・トゥデイ・シームズ・ライク・イェスタデイ
7. アイム・アフレイド
8. ゲス・フー・アイ・ソウ・トゥデイ (デュオ・ヴァージョン)
9. タイト ※ボーナス・トラック

Photo:Photo:©️Ambe J. Williams,©️Meredith Truax,ゲッティイメージズ,ニュースコム,Instagram

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