パスポートのみならず、航空券も持たずにアメリカの地に降り立ったロシア人の男。入国審査でひっかかり、FBIに連行された。(フロントロウ編集部)

航空券持たずにアメリカ行きの飛行機に乗った男

 飛行機に乗る際、事前のチェックインに加え、セキュリティゲートの通過は避けて通れない。こうした状況から不正搭乗は難しいとされるが、それを国際線でやってのけた人がいるよう。

 現地時間11月4日、デンマーク・コペンハーゲン発のスカンディナビア航空931便がアメリカ・ロサンゼルス国際空港に到着。同便に搭乗していたロシア人の男が、アメリカに入国しようとしたところ、パスポートも航空券も所持していないことが発覚した。

 その場で税関・国境取締局の職員が呼ばれ、男は別室送りに。パスポートを持ってない理由を聞かれた男は、「機内に忘れた」などと回答。職員らがスカンディナビア航空に問い合わせるも、機内にはそういった忘れ物の報告はなく、それどころか、同機の乗客名簿に男の名前がないことがわかった。

 ちなみに、機内で男を見かけた客室乗務員によると、男は同機に搭乗後、座席の移動を繰り返していたといい、さらに機内食のおかわりを求めた挙句、客室乗務員用のチョコレートを食べようとするなど、とにかく目立っていたそう。

密航の疑いで男を起訴

 不審に思った職員らが、男が持っていたバッグの中身を確認すると、ロシアのIDカードおよびイスラエルのIDカードが見つかった。ほかにも携帯電話を持っていたため、中身を確認すると、パスポートの一部とみられる写真を発見。写真には名前、生年月日、パスポートナンバーが写っていたが、顔写真はなかった。

 みんなが一番気になっている「どうやって飛行機に乗ったのか」については、あいまいな返事を繰り返すのみで、男は「3日間寝ておらず、よく覚えていない」「アメリカ行きの航空券を持っていたかもしれないが、わからない」などと話した。

 どうやら、男は航空券を持たずに飛行機に搭乗した「キセル乗車」のようだが、コペンハーゲンの空港で、どうやってセキュリティチェックを通過して、飛行機に乗ったのかは結局わからずじまい。その後、男の身柄はFBIに引き渡され、密航の疑いで起訴された。事件の全容解明に向けて、現在も捜査が続いている。

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