ディズニー100周年記念映画『ウィッシュ』の劇場公開に合わせて、難病と闘うこどもたちの“願い”をかなえるNPO団体「メイク・ア・ウィッシュ®︎」を支援する「Wish Together」キャンペーンが実施されている。 もちろん、一般の個人でも支援できる。今回はメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン事務局長の鈴木朋子氏に、難病と闘う子どもたちの「願いをかなえる」ことについて話を訊いた。(フロントロウ編集部)

ディズニーが「Wish Together」 キャンペーンを実施中

 公開から1ヵ月経った1月15日(月)時点で、興行収入30億96万円、動員数221万人を突破するなど、特大ヒットを継続中の『ウィッシュ』

画像: ディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』全国公開中

ディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』全国公開中

 願いが叶う魔法の王国ロサスを舞台にした同作がテーマにしているのは、ディズニーが1923年の創立以来100年にわたって描き続けてきた“願いの力”。『ウィッシュ』の劇場公開に合わせて難病と闘うこどもたちの“願い”をかなえるNPO団体「メイク・ア・ウィッシュ®︎」を支援する「Wish Together」キャンペーンを実施している。

 英語で「ねがいごとをする」という意味を持つ言葉を名前に冠した「メイク・ア・ウィッシュ」は、3歳から18歳未満の重い病気と闘う子どもたち1人1人の願いを叶える支援を行なうボランティア団体。ディズニーとの協力関係の歴史は古く、40年以上にわたって、世界中で50万人以上の子どもたちの夢を叶える手伝いをしてきた。ディズニーが100年にわたって紡いできた物語とキャラクターは、世界中の人々に夢と希望を届けてきただけでなく、困難な状況にある子どもたちにも大きな力を与えている。

 フロントロウ編集部では、メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンで事務局長を務める鈴木朋子氏に取材。ディズニーとの長年にわたる取り組みや、 ミッキーとミニーも駆けつけたことも話題になった、『ウィッシュ』公開に先立って行なわれた特別先行上映会、一般の個人がメイク・ア・ウィッシュの取り組みを支援する方法などについて訊いた。

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン事務局長に取材

フロントロウ編集部:メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンの活動内容について教えてください。

鈴木朋子氏(メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン 事務局長):3歳から18歳未満の重い病気と闘う子どもたち1人1人の願いを叶えるお手伝いをしているボランティア団体です。アメリカで誕生し、これまでに世界中50カ国で50万人以上の子どもたちの夢をかなえ、43年目となりました。日本での活動は1992年から始まり、今年で31年目を迎え、4000人近くの子どもたちの夢をお手伝いすることができました。病気とたたかう子どもたちは、願う気持ちを持つだけでリハビリを頑張るようになったり、あるいは家族の大切さに気がついたり、不思議な力が生まれてきます。それを私たちは夢の力と呼んでいます。活動を通じて、夢の力を病気と闘う子どもたちに信じてもらい、夢を叶えて、子どもたちとご家族の皆さんに笑顔と未来を届けています。

31年にわたる、これまでのディズニーとのお取り組みの中でも、鈴木さんの中で特に印象に残っているお取り組みはありますか?

車椅子のお子さんが、ディズニーのパークのエントランスで大好きなアリスを見つけたときに、思わず立ち上がって駆け寄った瞬間のことは今でも忘れられません。今まで全く歩くことができず、お父様やお母様も「この子はもう歩くことができない」と思っていた3才の男の子は、車椅子に乗っており、靴も持っていませんでした。ですが、その子もパークに入った瞬間、「歩きたい」とおっしゃったのです。お父様とお母様も慌ててショップに靴を買いに行き、靴をすぐに履かせて、その子は本当に一歩一歩踏みしめるように歩いていました。その子にとって、初めて歩いた瞬間がディズニーだったというのも、大変大きな感動でした。

子どもたちの「願い」が実現するまでのプロセスを、ディズニーとのお取り組みを一例にして教えていただけますか?

お子様からまず、「夢」のお申し出をいただきます。主治医のご許可を得た上で、その夢の実現に向けて、準備を進めます。ディズニーに関するウィッシュの場合は、この時点でお子さんの夢の内容についてご相談をさせていただき、具体的なプランニングを始めます。

画像: 「赤いウエディングドレスを着てミッキーと写真を撮りたい!」という願いを叶えた夢華さん(18歳) 。この日のためにドレスを準備し、「ミート・ミッキー」へ。ミッキーとの握手、キスやハグのプレゼント。夢の時間を心から楽しみ、憧れのミッキーと最高の一枚をカメラにおさめた。

「赤いウエディングドレスを着てミッキーと写真を撮りたい!」という願いを叶えた夢華さん(18歳)​。この日のためにドレスを準備し、「ミート・ミッキー」へ。ミッキーとの握手、キスやハグのプレゼント。夢の時間を心から楽しみ、憧れのミッキーと最高の一枚をカメラにおさめた。

先日、「Wish Together 『ウィッシュ』特別先行上映会」を開催されました。参加されたお子様たちのご様子など、今回のイベントで印象に残ったことはどんなことですか?

今回、「Wish Together」としてディズニー様からこのような素晴らしい機会を頂戴することができたことは、お子様たちにとってもご家族様にとっても、誇らしい出来事でした。映画も素晴らしく、改めて「Wish」をもつことの素晴らしさを感じたというお声を、たくさんいただきました。ミッキー&ミニーが登場したときのお子さんとご家族の皆様のお喜び様は大変なものでした。ディズニーには、全ての人を笑顔にする魔法の力があると改めて思いました。

画像: 「Wish Together」キャンペーンの一環として、『ウィッシュ』公開に先立って行なわれた同作の特別先行上映会。メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンが支援する子どもたちとその家族、約150名が招待されて参加したスペシャルな上映会には、ミッキーとミニーも駆けつけた。

「Wish Together」キャンペーンの一環として、『ウィッシュ』公開に先立って行なわれた同作の特別先行上映会。メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンが支援する子どもたちとその家族、約150名が招待されて参加したスペシャルな上映会には、ミッキーとミニーも駆けつけた。

上映終了後には、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社代表取締役社長キャロル・チョイ氏(写真右端)からも挨拶。「ウォルト・ディズニー・カンパニーは、100年以上にわたるストーリーテリングの経験を生かし、世界中の何百万人もの人々に希望を与える物語を語り続けてきました。『ウィッシュ』は、過去1世紀にわたってディズニーのストーリーテリングを特別なものにしてきた要素が詰まった作品です。それは、素晴らしい楽曲、個性豊かなキャラクター、そして「願い事をすること」です。子どもたちの願いをかなえること は、ディズニーが行う様々な活動の中で最も重要な活動の1つです。20年以上にわたり 、日本全国で子どもたちの夢を実現するために一緒に活動してくださったメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンの仲間たちに感謝します」と述べた。

映画『ウィッシュ』の大きなテーマは「願いの力」ですが、ディズニーとのお取り組みを通して、ディズニーのコンテンツが持つ「願いの力」を実感した瞬間はありますか?

「願う気持ち」をもって生きることの大切さを日々感じています。どの子どもたちも、「願う気持ち」をもつことで、「早く明日にならないかな」と、明日が来るのを楽しみに過ごしています。まさに「願いの力」が、大変なご病気と闘う子どもたちに、未来を届けてくれると信じています。

一般の個人や法人がメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンを支援する方法にはどんなものがありますか?

私たちの活動にはいろいろなお手伝いが必要になります。寄付という資金面でのお手伝いに加えて、ご自宅でできるご支援方法としては、使用済み切手の収集やお子様の自宅や病室のルームデコレーションなどの製作があります。

中心的な役割としてのお手伝いとしては、実際に子どもたちが夢を叶えるときのメンバー、ウィッシュチームとして、子どもたちの夢のためにいろいろな企画をしたり実際に当日に立ち合いをしたりして活動することもできます。2日間のトレーニング勉強会のご参加が必要ですが、夢を実現する瞬間を一緒に共有するメンバーとして活動いただけますので、ぜひこちらも検討いただけたら幸いです。


「Wish Together」キャンペーンについて
ディズニーが、難病と闘うこどもたちの人生を変えるような“願い”をかなえるNPO団体「メイク・ア・ウィッシュ」と協力して実施しているキャンペーン。「メイク・ア・ウィッシュ」の活動の認知を高め、ファンと一緒に世界中の重い病気を抱えたこどもたちの人生を変えるような願いをかなえるためにアクションを起こすことを目指している。ボランティアや商品の購入など様々な方法を通じて、一般の個人や法人も病気と闘うこどもたちの支援を行なうことができる。
公式サイト:https://www.disney.co.jp/corporate/social-responsibility/wish-together

メイク・ア・ウィッシュとは
英語で「ねがいごとをする」という意味を持つ言葉を名前に冠したボランティア団体。3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、生きるちからや病気と闘う勇気を持ってもらいたいという願いから設立された。国内では、メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンが、子どもたちに勇気を与える事に加え、社会における非営利組織の存在の重要性を自覚し、社会貢献の「場」を提供する有意義な存在となることを目指して活動を行なっている。
公式サイト:https://www.mawj.org/

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