子どもの頃に刷り込まれたCMソングが、アルバムになった。アヴァランチーズ4作目は10月16日発売


サンプリングの魔術師アヴァランチーズが、通算4作目『No Bad Memories』を10月16日にリリースすると発表。着想源は、広告とブランドが私たちの記憶に忍び込んでくるやり方だという。(フロントロウ編集部)
「かけがえのない思い出」と、忘れられないよう設計された体験
所属レーベルによると、アルバムの発売日は10月16日。テレビCMのジングル、家電の起動音、いつのまにか耳から消えていったオーディオ・ロゴ。オーストラリアの3人組アヴァランチーズが新作のテーマに選んだのは、そうした商業的な音が呼び起こすノスタルジーだった。
彼らはリリースのなかで、企業が生み出したエンターテインメントと子ども時代の思い出は切り離せないほど深く結びついている、と指摘する。そのうえで投げかけられるのが、「かけがえのない思い出」と「忘れられないよう意図的にデザインされた体験」の境界線はどこにあるのか、という問いだ。

「大人になって振り返ると、当時のマーケティングには驚くほどの創造性がありました。映像、写真、音楽、そのすべてが魅力的でしたが、一方で手の届かない夢を売るものでもありました」とグループは語っている。子どもの頃の映像やCMソングを聴き返し、それらがどれほど深く記憶に刻まれているかを実感したという。
その企業文化の中心にあった音を切り取り、自分たちなりの喜びに満ちたポップ・ミュージックへ組み替えていく。そうして生まれたのが『No Bad Memories』の世界だと説明されている。3,500枚以上のレコードから900曲以上をサンプリングしたデビュー作『Since I Left You』でキャリアを始めた彼ららしい発想と言える。
4枚目のリードトラックは、ルイジアナ出身の新鋭と
アルバムの発表と同時に解禁されたのが、新曲「Can’t Get Over Losing You」。ルイジアナ州出身のセルフプロデュース・アーティスト、Portraits of Tracyを迎えた1曲だ。ガレージロックを思わせる骨太なドラムに、アヴァランチーズらしいノスタルジックなサンプリング、そして多幸感のあるメロディーとボーカルが重なる。
ロビー・チャターは、Portraits of Tracyについて「Tracyはユーモアがあり、勇敢で、そしてとても繊細な人です」と評し、彼女の歌声とソングライティングには毎回心を揺さぶられる、世代を代表する存在だと思う、と続けている。当のPortraits of Tracyは、普段はあまりコラボレーションをしないと明かしたうえで、「初めて話した瞬間から自然に噛み合いました」とコメント。楽曲は2024年に作り始め、2025年に録り直して完成させたという。

リードトラックはこれで4曲目
「Can’t Get Over Losing You」は、アルバムから公開された4枚目のリードトラックにあたる。先行したのは、Karen Oを迎えた幻想的な「Blue Shadows」、Jamie xxが参加した「Every Single Weekend」、そしてNikki Nair、Jessy Lanza、Prentissが名を連ねた「Together」。『Wildflower』『We Will Always Love You』と同様、今作も多彩なコラボレーターが集まる構成になっている。

ライブ面でも動きは活発だ。Primavera Sound Barcelonaに出演し、メキシコでは初のライブを開催。10月にはニューヨーク・Terminal 5公演、11月にはPitchfork Music Festival Londonの一環としてロンドン・Roundhouseでのヘッドライン公演が控える。フランス、イタリア、ベルギーなどでのDJ出演も予定されている。
『Since I Left You』から『Wildflower』まで16年。そこからさらに歩みを重ねてきたグループが4作目にたどり着くまでの時間もまた、記憶の話だ。『No Bad Memories』は10月16日リリース。日本盤の発売も決まっており、詳細は後日発表される。














