「誰かがウソをついている」『グルスポングの奇跡』予告が映す再会のその後


亡き姉と瓜二つの女性に出会った姉妹の実話として9月4日からの日本公開が決まっていたドキュメンタリー『グルスポングの奇跡』。その日本版本予告が解禁され、奇跡の再会が家族の愛憎劇へと転がっていく後半の顔が、はじめて見えてきた。(フロントロウ編集部)
予告は、監督にかかってきた一本の電話から始まる
解禁された予告編の入り口は、家探しの場面でも、対面の瞬間でもない。老姉妹のカーリとマイが、マリア・フレデリクソン監督にかけた一本の電話だ。撮る側が題材を見つけたのではなく、当事者が「これを記録してほしい」と持ち込んだ映画であることが、冒頭で示される構成になっている。
そこから予告は、スウェーデンの小さな町グルスポングでの出会いへと進む。姉妹が向き合ったのは、自ら命を絶った姉リータに生き写しの女性、オーウラグだった。
戦時下の理由で、引き離された双子
やがて予告は、リータとオーウラグがナチス・ドイツ占領下のノルウェーで生まれた双子であり、人体実験から逃れるために引き離されていたことを明かしていく。奇跡的な偶然に見えた再会の裏に、家族が意図的に消した記録があったことになる。

「誰を信じたらいいのか分からない」
ここまでなら、感動的な再会の記録で終わる。予告が本当に見せたいのは、その先だ。
リータの死をめぐって新たな事実が浮上したことで、物語は一変する。家族の間には軋轢が生まれ、「誰かがウソをついている」「誰を信じたらいいのか分からない」と、互いを疑い合う声が重なっていく。予告はそのまま、「真実に近づくほど、家族が壊れていく。」という一文で締めくくられる。
配給のカルチュアルライフは本作を「北欧発、無限にねじれるラビリンス・ドキュメンタリー!」と打ち出している。再現ドラマでも、劇映画でもない。全編ノンフィクションでありながら、迷路のように筋がねじれていくという意味だ。
長編デビュー作で、グルドバッゲ賞
監督のマリア・フレデリクソンにとって、本作は長編デビュー作にあたる。それでスウェーデン・アカデミー賞〈グルドバッゲ賞〉の最優秀ドキュメンタリー賞を射止めた。出演は、カーリ・クロー、マイ=エーリン・ストーシュレットゥン、オーウラグ・バッケヴォル・オストビーら、実際にこの出来事を生きた本人たちである。
スウェーデン・ノルウェー・デンマークの共同製作で、2023年の作品。114分。作品公式サイトによると、『グルスポングの奇跡』は9月4日(金)より池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿ほかにて全国順次公開される。
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