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「全部同じパフォーマンスをしてないか」。リドリーが國村隼に言ったこと

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「全部同じパフォーマンスをしてないか」。リドリーが國村隼に言ったこと
(c)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

リドリー・スコット監督の新作『ラスト・サバイバー』の特別映像に、俳優の國村隼が登場した。國村にとってリドリーは、37年前のハリウッドデビュー作『ブラック・レイン』で「お師匠さん」になった人物。その現場で言われた一言が、いまも残っているという。(フロントロウ編集部)

1989年、映画出演2作目でハリウッドの現場に立った

88歳のリドリー・スコットが撮影現場でどう振る舞っていたかを紹介したのが、ちょうど1週間前のこと。今度は、その現場を37年前に経験した日本の俳優が口を開いた。

配給のウォルト・ディズニー・ジャパンの発表によると、8月28日(金)公開の『ラスト・サバイバー』から、國村隼が出演する特別映像が解禁された。國村は日本だけでなく香港映画、韓国映画、ハリウッド映画にも積極的に出演してきた俳優だが、そのキャリアの起点にリドリー・スコットがいる。

1989年、國村の映画出演2作目となったのが、リドリー監督の『ブラック・レイン』だった。マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作という日米の顔ぶれが並んだ作品で、國村は松田演じるヤクザ・佐藤の手下である吉本役に抜擢された。これが彼のハリウッドデビュー作であり、「一生映画俳優として生きていこう」と決めたターニングポイントにもなった。

4テイク目に、監督から出た指摘

特別映像とあわせて到着したインタビューで、國村はその現場を具体的に振り返っている。

1カットにつき7テイクほど撮るという、日本とは異なる撮影の進め方。そのなかでいちばん印象に残っているのが、リドリーからかけられた言葉だという。「クニ(國村)、4テイク今までに撮ったけど、全部同じパフォーマンスをしてないか」「次のテイクは全く違うイメージで見せてくれ」。

なぜテイクを重ねるのか。その答えは、共演していた松田優作との会話のなかで得た。テイクを重ねるのは「お客さんに観てもらう“ピース”」を作っているからだ、と。國村は「“役者というものは現場でどうあるべきか”を教えてくれたのがリドリー・スコット」と語り、リドリーを「お師匠さん」と呼んでいる。

現場の光景そのものも、鮮明に残っているようだ。地面やセットをあらかじめ水で濡らして光を乱反射させ、ネオンや照明を映えさせる——リドリーがいまも使う映像づくりの手法について、國村は「ウェットダウンして下を濡らして、あとスモークをガンガンに炊いて、ライトはすごく暗い(現場だった)」「カメラが4台あり、俳優から見えないところにカメラがあった」と説明している。

映画『ラスト・サバイバー』日本版ポスター
(c)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「絶望しかないのに美しいと感じました」

その師匠の最新作を、國村は一観客として見ている。『ラスト・サバイバー』は、謎のパンデミックで人類の90%が死滅した世界が舞台。人間性を失った生き残りたちが奪い合い殺し合うなか、愛犬と亡き妻の記憶を頼りに生きてきたパイロットのヒッグが、無線に届いた声に導かれて未知の空へ飛び立つ。原作は「史上最高のディストピア小説」のひとつとも呼ばれる、ピーター・ヘラーの「ドッグ・スターズ」だ。

作品について國村はこう話している。「世界の終わりなんですよ。残酷で、絶望しかないのに美しいと感じました。人の弱さ、醜さ、強さ、優しさ。絶対に諦めない人たちの姿に胸を打たれました」。さらに「やっぱり、リドリー・スコット。良い意味で恐ろしい作品です」とも。

37年前に現場で教わった相手が、いま何を撮っているか。國村の言葉は「単にパワフルということではなくて、彼(リドリー)のイマジネーション、映画での表現みたいなことの幅、奥行き、全てが厚みを増して、すごい作品撮ったなぁと改めて思いました」と続く。師匠と呼んだ人物への評価としては、なかなか率直な部類だろう。

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