アメリカで最も長く観られたのは、犬の家族のアニメ『ブルーイ』だった


オーストラリア発のアニメ『ブルーイ』が、アメリカの年間ストリーミング視聴ランキングで2年続けて総合1位になった。大人向けのドラマも映画も含めた全配信作品のなかで、である。2027年夏には初の長編映画も日本公開される。(フロントロウ編集部)
大人向けの作品も、全部抜いた
ウォルト・ディズニー・ジャパンによると、いまキッズアニメーション市場で最も勢いがあるのが『ブルーイ』だ。ニールセンのARTEYアワードで、アメリカの年間ストリーミング視聴ランキング総合1位を2年連続で獲得している。
この「総合」という言葉には注釈がいる。子ども向け部門の1位ではない。大人向け作品も含めた、その年に配信されたすべての番組のなかでの1位だ。2025年に記録した視聴ボリュームは、アメリカだけで約450億分。話題作が次々に生まれる配信の世界で、最も長く再生ボタンが押されていたのは、犬の一家の何でもない日常を描いたシリーズだった。

主人公は、オーストラリアン・キャトル・ドッグ(ブルーヒーラー)の6歳の女の子ブルーイと、4歳の妹ビンゴ。パパとママと過ごす日常が物語の舞台だ。ディズニープラスやディズニージュニア、ディズニー・チャンネルを通じて配信され、シリーズは世界180以上の国と地域に届いている。国際エミー賞や英国アカデミー賞(BAFTA)といった、本来は大人の作品が並ぶ賞レースでも受賞歴がある。
泣かされているのは、たいてい親のほう
子ども向けアニメがここまで観られている理由は、単純に子どもの再生回数が多いから、ではないらしい。
『ブルーイ』の物語の主軸にはつねに「遊び」がある。ブルーイとビンゴは、ごっこ遊びを通して相手を思いやる気持ちや、コミュニケーションの大切さを学んでいく。ただ、その遊びのなかには大人が思わずハッとさせられるテーマが織り込まれている。こどもを楽しませるだけではない、家族や人生について考えさせられる物語が大人の心にも深く響く、とディズニーは説明する。誰もが経験したことのある日常をユーモアと温かさに満ちた視点で描きながら、世界中の大人たちの涙腺を崩壊させてきた作品だ、というのがディズニー側の見立てである。
日常のささやかな一場面を、想像力を使って冒険に変えていく。この姿勢がディズニーのものづくりの根幹である「イマジネーション」と重なることから、両者は深いパートナーシップを築いてきた。いまでは米国のディズニーランド・パークやディズニー・クルーズラインにもブルーイたちが登場し、作品は画面の外へ広がっている。
3Dになったブルーイが、赤い風船を追いかける
その次のステップが、映画だ。シリーズ初の長編映画『映画 ブルーイ』(原題:The Bluey Movie)は、2027年夏に日本公開されることが決まっている。ディズニーが8月15日にポスタービジュアルとティザー予告を解禁した。
注目すべきは、これがシリーズで初めて3Dアニメーションになるという点だろう。ティザー予告に映るのは、これまでの平面的な絵とは違う、立体的に表現されたブルーイとビンゴだ。赤い風船で遊ぶブルーイが「地面に落としちゃダメ!!!」と叫ぶ。ポスターでも、ブルーイは赤い風船に手を伸ばしている。
物語は、〈遊び〉という変わらない魅力を軸にしたまま、ブルーイと家族をひっくり返すような“ある驚きの出来事”をきっかけに動き出す。描かれるのは、アクション満載の“ある1日”だという。何が起きるのかは、まだ明かされていない。
同じ日の配信リストには、7年ぶりの復活作もある
ディズニープラスのキッズ枠では、もう1本が動く。約7年ぶりの新シリーズ『ちいさなプリンセス ソフィア おうこくのまほう』が、8月26日(水)から配信されるのだ。新しい舞台が魔法学校になることは、先に解禁された予告編で明かされていた。

このシリーズの見どころは、歴代のディズニープリンセスが作中に現れてソフィアを導くことにある。新シリーズの第1話に登場するのは『塔の上のラプンツェル』のラプンツェルで、日本語版の声は中川翔子が続投する。その第1話のフルエピソードは、現在YouTubeで期間限定公開されている。
家庭のなかの「遊び」で想像力と思いやりを育てる『ブルーイ』と、学校や新しい人間関係という「外の社会」での成長を描く『ちいさなプリンセス ソフィア』。ディズニーはこの2つの傑作を、続けて観てほしい流れとして並べている。















