俳優、そして映画監督として数々の賞を受賞している大御所ジョージ・クルーニー。以前からトランプ氏を批判している反トランプ派だが、トランプ氏の就任式を前に、トランプ氏の成功を願うと発言した。
ドキュメンタリー映画『ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊』のレセプションパーティーで発言したジョージは、トランプ新大統領の成功を願う理由をこう説明。
「私たちは彼が適切な職務を行えると祈らなければいけない。なぜなら、『アメリカ合衆国大統領』が失敗した時、本当に恐ろしいことが起きるのだから。私が思うに、我々は少しアンラッキーになっている。最善を祈るのみだ」。
なぜ、ジョージはこのタイミングでトランプ氏に対してこのような発言をしたのか? ヒントはジョージが製作した今回の映画に隠されているかもしれない。
「トランプ大統領は誕生しない」と語ったが
ジョージが手掛けたドキュメンタリー映画『ホワイト・ヘルメット』は、内戦で混乱が続くシリアで、人命救助活動に携わるボランティア団体を題材に取り上げた作品。「ホワイト・ヘルメット」と呼ばれる彼らがアレッポの町で救出した、血だらけで救急車の椅子に座る男の子の写真は、全世界に衝撃を与えた。
シリア内戦はアメリカやロシアなど他国も敵味方に別れ泥沼化し、すでに25万人以上もの国民が命を落としている。平和的な解決方法が決裂した時、このような犠牲が起きてしまう。
「トランプ大統領は誕生しない。この国が恐怖に先導されることはないから」と2016年に語っていたジョージ。しかしトランプ氏の大統領就任が決まった今、この作品で観られるような悲劇が繰り返されないためにも、全力で「最善」を祈っているということなのだろう。