フェミニストとは、男女が平等の権利を持つべきだと思っている人のこと。

 フロントロウ編集部では、2016年にハリウッドを中心に起きたフェミニストな瞬間をおさらい。今年もたくさんのフェミニストが活躍した!

 

1 エマ・ワトソンがフェミニスト・ブッククラブを開催

 女性を応援する国連ウィメン(UN Women)の親善大使である、映画『ハリー・ポッター』のエマ・ワトソン。2015年には男性にフェミニズム運動に加わってもらう活動「ヒーフォーシー(HeForShe)」を展開したエマが、2016年はフェミニストに関連する本をおすすめして意見交換をおこなうブッククラブ「アワー・シェアド・シェルフ(Our Shared Shelf)」を設立。セレブの参加者も少なくなく、エマはクラブで紹介した本をロンドンNYの地下鉄に隠すなどの活動もしている。

 

2 ゴールデン・グローブ賞授賞式で司会者がハリウッドの男女不平等なギャラを皮肉る

 1月10日に開催された第73回ゴールデン・グローブ賞授賞式で、司会を務めた英コメディアンのリッキー・ジャーヴェイスが、「女性キャストでのリメイクが流行っている。女性版の『ゴーストバスターズができた。『オーシャンズ11』の女性版リメイクもできるらしい。配給会社は大きな興行収入を得られるけど出演者にはあまり払わなくていいから良いね」というギャグを炸裂。ハリウッドでは2015年に映画『アメリカン・ハッスル』関係者のメールが流出し、配給会社が女性より男性キャストに高いギャラを渡していたことが発覚。不平等なシステムが問題視されている。

イギリス人コメディアン リッキー・ジャーヴェイス 毒舌キャラで有名なリッキー・ジャーヴェイス

 

3 テニスの世界ランク1位がスポーツレポーターの勘違いをばっさり

 8月のリオ五輪のテニス・シングルスで優勝してオリンピック連覇を果たした世界ランク1位のテニス選手、アンディ・マリー。メダル獲得後に英スポーツレポーターのジョン・インバーデールに「オリンピックのテニスで金メダルを2つも勝ち取ったのはあなたが初めて」と言われると、「ヴィーナスとセリーナ(ウィリアムズ姉妹)は確かそれぞれ金を4つも獲ってるんじゃないかな」とすぐさま訂正した。

男子テニス選手アンディ・マレー 女子テニス選手セリーナ&ヴィーナス・ウィリアムズ

 

4 インスタグラムの「あのルール」に挑戦状をつきつけるアカウントが登場

 ヌード画像の投稿を禁じているインスタグラムで以前から問題視されている、男性の胸の写真はOKなのに女性の胸の写真は削除対象にあたるという「違い」。2014年にはこれを批判する世界的ムーブメント「Free The Nipple(乳首を自由に)」が実施され、リアーナやマドンナなど多くのセレブも参加した。そんななか2016年、「Genderless Nipples(ジェンダーのない乳首)」というアカウントがインスタグラムに登場。男女関係なくフォロワーに乳首の至近距離からの写真を送ってもらいそれを公開して、インスタグラムに「男性か女性か判別してみなさい」と挑戦状をたたきつけている。アカウントとその写真はこちらから確認できる。

Genderless Nipples ジェンダーレス・ニップルズ 性別が分からないように毛を剃るなど、アカウントに載せる写真の撮リ方のハウツー

 

5 グラミー賞シンガーが妻に対する言われない批判にちくり

 音楽バラエティ番組『リップシンクバトル』の司会を務めるモデルのクリッシー・テイゲンがグラミー賞受賞シンガーの夫ジョン・レジェンドとの間の第1子ルナちゃんを出産した約2週間後に子供を置いてジョンとディナーデートに出かけると、一部で「子供を置いて出かける悪い母親」と批判が。これに対しジョンは、「父親を批判しないのは不思議だね。僕ら2人ともがディナーに行ったんだから僕ら2人ともを批判してくれ。クリッシーだけの問題じゃない。責任は分け合うよ」とツイートした。

 

6 ドナルド・トランプ氏の差別的発言に女性たちが賢く反応

 10月におこなわれたアメリカ大統領選の討論会で、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏に対して「なんて嫌な女なんだ(Such a Nasty Woman)」と発言。女性の強さをネガティヴにとらえるトランプ氏の差別的な考え方に、すぐさま世間が反応。「Nasty Woman」と描かれたTシャツやバッグが売られたり、女性たちはあえて自分を「Nasty Woman」と呼んだりして、たくましい女性への支持を表明した。

ヒラリー・クリントン Hillary Clinton ドナルド・トランプ Donald  Trump Nasty Woman 嫌な女 ファッション Tシャツ ケイティ・ペリー Katy Perry ヒラリー氏支持者の歌手ケイティ・ペリーが「Nasty Woman」と描かれたGoogle GhostのTシャツを着て

 

7 歴史を作った女性から世界中の女の子にメッセージ

 2016年に女性初のアメリカ大統領選候補になるという偉業を達成したヒラリー・クリントン氏。選挙ではドナルド・トランプ氏に負けたが、その後ツイッターに投稿した「これを見ているすべての少女へ…どんな時も自分の価値と力を信じて、自分には世界に存在するすべてのチャンスを手に入れる権利があるのだと分かっていて」というメッセージは11月に投稿されたにもかかわらずわずか1ヵ月足らずで2016年に最もリツイートされたツイート3位へと駆け上がった。

 

8 「過激すぎる」と批判された英ガールズグループをアーティスト仲間が擁護

 10月にシングル曲「シャウト・アウト・トゥ・マイ・エックス」を音楽オーディション番組『Xファクター』でパフォーマンスしてニューアルバムのPRをスタートさせた英ガールズグループのリトル・ミックスに、新しい衣装が「過激すぎる」「売春婦のよう」という批判が。これに対してイギリスの男子4人組バンドであるヴァンプスのジェイムズ・マクヴェイが、「僕らがベストや半裸でパフォーマンスしても(批判は受けないのに)女の子がやると不適切と言われる」とコメント。アメリカの人気ガールズグループであるフィフス・ハーモニーのノーマニ・コーディも、「ショーパンやクロップトトップを身に着けたいからって尻軽なわけじゃない」と世間の反応を批判し、アーティスト仲間からリトル・ミックスに対する擁護のコメントが殺到した。

リトル・ミックス Little Mix 『Xファクター』 シングル曲「シャウと・アウト・トゥ・マイ・エックス」 リトル・ミックスは最新アルバムでキャリア初の全英1位を達成した

 

9 自分を「尻軽」と呼ぶ異色のフェミニスト運動「スラットウォーク」に大勢が参加

 モデルのアンバー・ローズがフェミニスト運動「スラットウォーク」を主催。自分たちを「スラット(尻軽)」と呼んで行進した。スラットウォークの始まりは、2011年にあるカナダ人警察官がレイプ被害を受けないための対策として「女性は尻軽のような恰好をするのは避けるべきだ」と発言したこと。これに怒った女性が「どんな格好をしていてもレイプするべきではない」というメッセージをこめて、あえてみんなで「尻軽のような恰好」をして行進を始めたのだ。この運動は一部フェミニストから批判も上がっているが、例年参加者は増えている。

2016年度LAスラットウォークで寄せ書き看板にメッセージを書くモデルのアンバー・ローズ。 開場の寄せ書き看板にサインする主催者であるモデルのアンバー・ローズ

 

10 ダニエル・ラドクリフが社会の進化の遅さに混乱する

 映画『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフは全員がフェミニスト(男女平等であるべきだと信じる人)であるべきだと思っているため、「フェミニストだと宣言する必要があること自体が悲しいよ」と英Elle誌でコメント。続けて映画界でのギャラの差に触れて、「ショッキングだよ。誰だよ?誰がやってるんだ?どこの誰が映画スタジオに座って『女子の取り分を減らそうぜ』って言ってるんだ?って思うよ」と語り、未だに男女の間に不平等があることに困惑した。

ダニエル・ラドクリフ

 

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