ヒルソング・チャーチとは?
ヒルソング・チャーチ(ヒルソング教会)は、キリスト教ペンテコステ(聖霊降臨)派の牧師夫妻であるブライアン&ボビーヒューストンによって1983年にオーストラリアで設立。宗教にあまり関心の無い若い世代からも支持が高く、現在では、世界18カ国に80以上もの支部を持つほどに成長している。
ほかの教会と何が違う?
同教会のウェブサイトには「ヒルソング・チャーチは、ジーザスを信じ神と人々を愛する教会です」との記述があり、信仰としては標準的なキリスト教のものと変わらない。
しかし、ヒルソング・チャーチには、他の教会と大きく異なる点が。それは、同教会が音楽に重点を置いているということ。
ヒルソング・チャーチは、街のこじんまりとした教会で集会を行う代わりに、ナイトクラブや劇場、まるでコンサートでも行うかのような大きなライブ会場などを貸し切って、賛美歌パフォーマンスを含む大規模集会を行っているほか、3つの音楽レーベルを所有。
同団体所属の音楽ユニット「ユナイテッド」]はアルバムを20枚近くリリースしており、2016年のビルボード・ミュージック・アワードではクリスチャン音楽部門のトップアーティストに選ばれている。
集会では、牧師たちが聖書の一節などを披露する熱いスピーチに加え、会場中の人々が大合唱するなど、毎回ライブさながらの熱気に包まれる。
ジャスティンが参加したオーストラリア・シドニーでの集会の映像。ブルーノ・マーズのヒット曲「24Kマジック」に合わせて参加者たちのダンスを先導している後ろ姿がジャスティン。
ジャスティンだけじゃない! 若手セレブ多数参加
ヒルソング・チャーチを支持しているキリスト教信者のセレブはジャスティンだけでなない。
ジャスティンの元恋人のシンガー、セレーナ・ゴメスや、若い世代の女性に絶大な人気を誇るカリスマ姉妹のケンダル&カイリー・ジェンナー、米マキシム誌が選ぶ「最もホットな女性」に選ばれたモデルのヘイリー・ボールドウィン、ケンダル&カイリーの姉でカーダシアン家の長女のコートニー・カーダシアン、元ジョナス・ブラザーズで現在はソロシンガーとして活躍するニック・ジョナス、ディズニードラマ『ハイ・スクール・ミュージカル』の女優ヴァネッサ・ハジェンズとその恋人で俳優のオースティン・バトラー、映画『ピッチ・パーフェクト』に出演する女優兼シンガーのヘイリー・スタインフェルドなども集会に参加したり、牧師らと交流する姿が目撃されている。
カール・レンツ牧師と彼の妻と一緒に記念撮影する、カイリー、ヘイリー、ケンダル。
レンツ夫妻とダブルデートする親しいヴァネッサ&オースティン。
レンツ牧師のインスタグラムには、ラッパーのジェイ・ZとNBA選手のケビン・デュラントとの写真も。
同教会がセレブに人気な理由は、「セレブにだって神に祈る権利があり、安心して祈りをささげられる場所が必要だ」とセレブに対して良心的な姿勢を見せているから。集会では、混乱が起きないよう、セレブ専用のスペースが設けられる場合もある。
ヒゲにタトゥーのイケメン牧師 カール・レンツ
ジャスティンをはじめ、多くのセレブたちに敬愛されているのが、ヒルソング・チャーチのニューヨーク支部の顔とも言われるイケメン牧師、カール・レンツ。
ヒゲ面にタトゥー、ハイブランドのレザージャケットなど、従来の牧師象からはかけ離れたロックスター顔負けのファッションに身を包んだ彼は、大学でバスケ選手として活躍しながら刑事司法を学んでいたものの中退。その後、神学に目覚め、牧師の道を志したという異色の経歴を持っている。
古臭い価値観を押し付けるのではなく、セレブだからと言って特別扱いしすぎずに同じ目線で接してくれるレンツ牧師に、セレブたちは絶大な信頼を寄せている。
ジャスティンとレンツ牧師の出会い
ジャスティンとレンツ牧師が出会ったのは2014年。ちょうどジャスティンの素行不良がメディアに取り沙汰され、世間から「バッドボーイ」のレッテルを貼られるようになった頃。
当時、大スターとしてのさまざまなプレッシャーに押し潰されそうになっていたジャスティンは、ある日、レンツ牧師に「神のことをもっと教えてください」と膝まづいて涙ながらに訴えたという。
当時のジャスティンついて、レンツ牧師は「彼はまだ20歳そこらだった。残酷で毒々しいこの世界で必死にもがいていたんだ。彼は、自分がなりたいと思う人間ではなく、世間が期待する通りの人間になろうとしていたんだよ」と、ジャスティンがかなり精神的に追い込まれた状況にあったことを米GQ誌とのインタビューで明かしている。
「洗礼」を受けるジャスティン
ジャスティンを哀れに思ったレンツ牧師は、すぐさまジャスティンに教会への参加の条件となる洗礼(※)を受けさせることを決意。
※正式なキリスト教徒となるために、全身を水にひたすか、または頭部に水を注ぐことによって罪を洗い清め、神の子として新しい生命を与えられる証とする儀式。
洗礼には身体をすべて水に浸せる設備が必要で、教会が洗礼用に契約しているホテルのプールの利用を試みたものの、パパラッチに張られており断念。
それでも何とか儀式を行える場所を探していたところ、レンツ牧師と親交のあるNBA選手のタイソン・チャンドラーが「うちの浴槽なら俺の身長(約213㎝)に合わせて特注で作ったものだからジャスティンの全身を浸せるはずだ」と、自宅バスルームの使用を許可してくれた。
レンツ牧師に見る「父親像」
洗礼を受けたジャスティンは、その後、約1カ月半の間レンツ牧師の元で共に暮らすことに。 その後、他の牧師たちとも親しい関係を築き、現在ではヒルソング・チャーチの各種イベントに積極的に参加するようになった。
幼い頃に両親が離婚し、スターとなった現在でこそ交流があるものの、あまり父親との思い出がなかったジャスティン。そんな彼の目には、妻と3人の子供を持つレンツ牧師が、夫として父親として、家庭的で優しい表情を見せる姿は「理想の父親」のように見えたのかもしれない。
彼が今週インスタグラムに投稿したメッセージには、こんな一節が。
「今回(ツアー中止で)自分に時間を与えたのは、末永く活躍したいと思っているからなんだ。キャリアの面でもそうだけど、心や精神面でも末永く続けたいと思っている。僕が将来なりたい男になり、なりたい夫になり、なりたい父親になれるように。」
このジャスティンの「なりたい夫になり、なりたい父親になれるように」という言葉には、レンツ牧師への憧れの思いが込められているような気もする。
一部では、ジャスティンが「変な宗教にハマった」、「怪しい牧師連中とつるんでいる」と書き立てるメディアもあるが、彼が今しようとしているのは、あくまでも充分な休息をとることで精神を休め、“自分自身を見つめ直す”こと。
その心の拠り処として、レンツ牧師率いるヒルソング・チャーチとの関係があるということのようだ。
※こちらの記事は読者からの指摘により一部表記を訂正いたしました。