「いつか死んでしまうんじゃないかと怖かった」
まだ10代だったジャスティン・ビーバーを発掘しスターへと育て上げた、ジャスティンにとってエンタメ界における父親のような存在であるマネージャーのスクーター・ブラウン。
デビュー当時からジャスティンを支え続ける彼が、ジャスティンが過去にジャスティンの身を本気で案じていた時期があったことを告白した。
米メディアTMZの敏腕記者ヴァン・ラーサンがホストを務めるポッドキャスト『ザ・レッド・ピル』に出演したスク―ターはその頃の不安な心境についてこんな風に振り返った。
「毎晩眠りにつく前、いつか彼を失ってしまうんじゃないかととても不安に思っていた時期があった。彼がいつか死んでしまうんじゃないかとずっと怖かったよ」
スクーターがジャスティンの命の危険を感じていたのは、ジャスティンの「暗黒時代」だったと言われる2014年頃のこと。当時、荒れに荒れていたジャスティンは、ドラッグレースによるスピード違反などの容疑での逮捕や隣人宅に卵を投げつけて裁判沙汰になるなど問題行動がピークに達していた。
自暴自棄なライフスタイルを送っていた当時19歳のジャスティンの健康状態を心底心配していたというスクーターは、今回のポッドキャストインタビューの中で「彼の体の中には有害なモノがたくさんありすぎて、ある晩眠りについたら、もう次の日には目を覚まさないんじゃないかと思ったこともあった」と、ジャスティンがいつか薬物やアルコールなどの過剰摂取でいつの日か命を落としてしまうのではないかと恐れていたことも明かした。
立ち直れたのは「本人の強い意志」
2017年の米Wall Street Journalのインタヴューで、当時のジャスティンの様子について、「(状況は)みんなが思っている以上に悪かったね。日に日に彼が自分のもとから離れていくようだった。彼はとても暗い場所にいて、僕たちは地獄のような日々を過ごしていた」と 明かしていたスクーター。
そんな「暗い場所」からジャスティンが抜け出せた背景には、スクーターや周囲の人々のサポートはもちろん、ほかの誰でもないジャスティン本人の努力や決断があったからだと、スク―ターは今回のポッドキャスト・インタビューで語っている。
「ジャスティンは、自分自身が変わらなきゃいけないっていうことを意識的に選んだんだ。それまで1年半くらい、僕は何とか彼を救わなきゃと必死になっては、何度も失敗してきた。彼は変わらなかったんだ。でも、ジャスティンはある朝突然僕に連絡してきてこう言った。『ヘイ、話さなくちゃいけないことがあるんだ。もうあんな自分では居たくない』と」
自らの過ちに気づき、このままではいけないと気づいたジャスティンは、それ以来、不必要に文句を言ったり、反抗的な態度取るといった行動を改めたという。
スクーターは「彼は自分という人間に与えられた責任を受け入れたんだと思う。他人がどんな行動をしていようが、自分自身を深く見つめ直すことに決めたんだ。それがきっかけで、彼は過去を克服し、健康を取り戻したよ」とジャスティンの変化を語った。
ツアーキャンセル→休養の背景
2017年の夏以降ジャスティンが休養に入ったことについて「ジャスティンは僕に向かって声を荒げたり怒鳴ったりすることもあった。曲を出したい、ツアーに出たいと言っていた。でも、もしそれをさせたら、彼は死んでしまうんじゃないかと思ったんだ。だから、彼の要求を拒否した」と、ジャスティンのことを想い、何としてでも彼に小休止を取らせることを薦めたことも今回のインタビューで明かしたスクーター。
そんなスクーターの意図を汲み取ったジャスティンは、ファンたちに向けた長文メッセージの中で「僕は過去に縛られた未来はおくらないし、失敗を恥じたりもしない。失敗から学んで成長できる男になりたい」と語り、開催中だった世界ツアーの残りの日程をすべて中止し、しばらくの間休養に入ることを発表した。
この決断がジャスティンの人生において正しいものであり、必要なものだったと信じているスクーターは、ジャスティンが13歳の時に交わした「何があっても絶対にジャスティンを見捨てない」という約束を守り続けるべく、今も彼の心に寄り添い、良き相談者、理解者としてジャスティンをサポートし続けている。(フロントロウ編集部)