ドナルド・トランプ米大統領から連邦最高裁判所の判事として指名を受けているブレット・カバノー氏が、高校在学中に年下の女学生クリスティン・ブラジー・フォードをベッドに押し倒して服を脱がせようとしたという告発を受けている事件。カバノー氏は事実無根としているが、その後、同じ時期にイェール大学に通っていた女子生徒デボラ・ラミレスから顔に陰部を近づけたとして再告発された。
カバノー氏がセクハラ告発を全否定し、カバノー氏の支援者から告発した女性への批判や誹謗中傷の声が高まるなか、米時間26日付の米New York Timesにこんな全面広告が掲載された。
「我々はアニタ・ヒルを信じる。我々はクリスティン・ブラジー・フォードも信じる」
その言葉のまわりには、1,600人分の男性の名前がズラリと記載されている。
アニタ・ヒルとは、1991年に最高裁の判事に承認されようとしていたクラレンス・トーマス判事によるセクハラを告発した女性のこと。そしてクリスティン・ブラジー・フォードは、カバノー氏によるセクハラを最初に告発した女性。
1991年にアニタ・ヒルの騒動が起きた時には、1,600人の女性がアニタ・ヒルを支持するために今回と同じような広告を米New York Timesに掲載したのだが、今回の広告はそんな女性の行動にインスパイアされた1,600人の男性たちがクリスティン・ブラジー・フォードへの支持を表明するために出した広告なのだ。広告掲載の費用は、クラウドファンディングによって集められたという。
広告にはほかにも、「我々男性は、女性や少女への暴力やハラスメントを根絶する闘いの味方です」「我々は被害者を信じ、善良な男性たちに我々と共に立ち上がることを求めます」などといった言葉が並ぶ。
カバノー氏のセクハラ騒動ではほかにも、女性が当時被害を訴え出なかったことを理由に女性の証言を信じない声に対して、「Why I Didn't Report(私が被害を告発しなかった理由)」というハッシュタグを使って事件発生当時に被害を訴え出なかった理由をSNSで告白する活動が広がっている。
アメリカでは米時間の27日に、カバノー氏と被害者それぞれの証言が議会公聴会で行われる予定となっている。(フロントロウ編集部)