ドナルド・トランプ米大統領が発したある女性レポーターへの「蔑視発言」が物議を醸している。

女性記者への侮蔑的発言に批判殺到

 ドナルド・トランプ大統領が米現地時間の10月1日、ホワイトハウス内にある庭園ローズガーデンで行われた記者会見に登場。記者たちとの質疑応答中に、女性記者に対して性差別ととれる侮蔑的発言をして批判の的となっている。

 アメリカ、カナダ、メキシコがNAFTA(北米自由貿易協定)の発効以来24年ぶりのアップデートとなる新たな貿易協定USMCAを結ぶことで合意したことを受けて行われた同記者会見で、トランプ大統領は質問をしようとアピールする大勢の記者たちのなかから最初の質問者として米ABCニュースの女性記者セシリア・ヴェガを指名。

 しかし、ヴェガ記者が即座に質問を開始しないことに苛立ったのか、トランプ大統領は「見てみなさい。彼女は私に(質問者に)選ばれて動揺している。ショック状態に陥っているようだ」と皮肉っぽくコメント。

 ここまでは、ほんのジョークともとらえられるが、このトランプ大統領のコメントに対し、ヴェガ記者が「いいえ、そんなことはありません。ありがとうございます、大統領」と答えると、トランプ大統領は「まあ、大丈夫さ。君が考えていないことなど知っている。君らはいつも考えるということをしないからな」と攻撃を続けた。

 その様子を収めた映像がコチラ。

 この侮蔑的な発言が女性記者に向けたものであることや、トランプ大統領が過去に何度も女性を軽視する発言を繰り返していることから、「君らは考えるということをしない」という発言の「君ら」が「女性」を示しているととらえる人が続出。広く問題視されることとなった。

 どうやらトランプ大統領は、「I’m not. Thank you, Mr.President(いいえ、そんなことはありません。大統領)」と答えたヴェガ記者の発言を「I’m not thinking, Mr. President(いいえ、考えてなどいません。大統領)」と聞き間違えたために問題となっている返答をしたらしいが、それにしても、女性であるヴェガ記者に対し、「何も考えていない」と低く見るような発言をしたことや、その後、彼女が尋ねようとした、その日のもう一つの重要なトピックであったブレット・カバノー連邦最高裁判所判事候補のセクハラ告発訴訟に関する質問を「貿易のことだけにしろ」と突っぱねたのもかなり世間的心象が悪かった。


セレブも反応

 トランプ大統領の問題発言に対し、有名セレブたちもSNSなどを通じて反応。「性差別を無くそう」という流れが社会全体で活性化するなか、一国の大統領が何の落ち度も無い女性記者に向かって侮蔑的な態度を取ったことを痛烈に批判している。

 ドラマ『シカゴ・メッド』の女優ソフィア・ブッシュは、トランプ大統領とヴェガ記者のやりとりを収めた動画をリツイートし、「Misoginy(女性差別)」とハッシュタグを添えてコメント。さらに「彼は本当に不快な人物。大統領ともある人物が毎日のように女性を卑しめている。そして彼の周りにいる男性の主導者たちは(同調して)笑っているのよ」と続けた。

 女性人気司会者のチェルシー・ハンドラーは「私たちの大統領は女性への性的暴行容疑の範囲を狭めようとしているわ。彼は女性なんかアソコを鷲掴みにしてしまえばいいと自慢するような人物で、女性のことを嫌悪している」とカバノー判事候補の訴訟に関する質問を拒否した点を問題視するコメントをしている。(フロントロウ編集部)

画像: 女優のソフィア・ブッシュ、司会者のチェルシー・ハンドラー。

女優のソフィア・ブッシュ、司会者のチェルシー・ハンドラー。

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