2月15日より日本公開がスタートした映画『女王陛下のお気に入り』。17世紀から18世紀にかけてイギリスを統治したアン女王の人生を描いた同作で、アン王女に召使いとして仕えながらも、再び貴族の地位に返り咲くタイミングを虎視眈々と狙う女性アビゲイルを熱演して高い評価を得ているのが、映画『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーン。
演技派で知られるエマは、当時の女性たちの生活様式を学ぶ役作りの一環として、撮影期間約2カ月半の間、ほぼ毎日コルセットを着用して撮影に臨んでいた。
男性に好まれる、いわゆる“砂時計ボディ”を演出するため、ウエストを思いきり締めつけて細く見せるコルセットを着用していた近世の女性たち。
映画の撮影を通して短期間ながら彼女たちの日常を体験したエマは、当時の女性たちに思わず同情したとしながら、コルセットの恐るべき威力について英BBCの人気トーク番組『グラハム・ノートン・ショー』で語った。
「(歴史上)女性たちはずいぶん長い間コルセットを着用していたわ。実際にあの時代に生きていた女性たちのことを考えると胸が痛むくらい。まず最初の1カ月間は、まともに息をすることができなかったわね。メンソールの匂いを嗅いでいるときだけ、やっと広い場所に出て息が吸えるような気分になれた。1カ月が経った頃、自分の内蔵の位置が変わってしまったのを感じたわ。ものすごく気持ち悪い感覚だった。」
撮影終了後、コルセットの着用を止めてからは、「ちゃんと内蔵は元の位置に戻った」とつけ加えていたエマ。「何らかの事情でつける必要がある人以外は、コルセットなんかつけない方がいい!」と、窮屈で苦しかった体験を振り返っていた。
『女王陛下のお気に入り』(原題:ザ・フェイバリット)は、作品公開前にたった2分間のお披露目映像が公開されただけにも関わらず、海外の映画ファンたちの間で「アカデミー賞候補作」との呼び声が上がるほどの評判に。
そんな前評判を裏切らず、同作は2019年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞などを含む計10部門にノミネート。エマは、共演者のレイチェル・ワイズとともに助演女優賞部門にダブルノミネートを果たしている。(フロントロウ編集部)