ディズニー映画『リトル・マーメイド』に出てくる名曲「キス・ザ・ガール」の歌詞の内容が「セクハラを助長する」として、米名門プリンストン大学の男性合唱部が今後はもう歌わないことを学校新聞を通して発表した。(フロントロウ編集部)

歌詞の内容が現代の風潮と合わない?

 米名門プリンストン大学の男性合唱部「タイガートーンズ(Tigertones)」が、ディズニー映画『リトル・マーメイド』に出てくる名曲「キス・ザ・ガール(Kiss The Girl)」のパフォーマンスを、今後一切行ないことを決めた「理由」が話題になっている。

画像: The Little Mermaid | Kiss the Girl | Lyric Video | Disney Sing Along www.youtube.com

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 同合唱部では「キス・ザ・ガール」をイベントなどで披露する際、毎回、男女1人ずつステージに上げて、みんなの前で“キスをしてもらう”という即興を行なっていたのだが、これが「昨今のMeTooの風潮に合わない」として問題視されるように。

 合唱部の代表によると、キスをする男女はあくまでも自分の意思でステージに上がり、お互いの同意を得たうえでキスをしていたというが、「嫌々キスをする男女を見たことがある」という声もあったことから、この度「キス・ザ・ガール」のパフォーマンスの禁止が決定された。

画像1: 歌詞の内容が現代の風潮と合わない?

 じつは、「キス・ザ・ガール」に禁止令が出た背景には、同曲の歌詞の内容も深く関係している。

 映画のなかで、主人公のアリエルを前に上手くアピールできずにいるエリック王子に、生き物たちが「そう、君は彼女が欲しいんだ。ほら見てごらん。君は何をすべきかわかっているはずさ」「言葉なんていらない。いいから彼女にキスしちゃえ」と語りかけ、キスを後押しするシーンで歌われている同曲。

 『リトル・マーメイド』のファンからすればこの場面は“胸キュン”するシーンなのだが、昨年から活発化しているMeToo運動の流れもあり、一部で周りが煽ってキスを後押ししたことエリック王子がアリエルの同意を得ずにキスをしようとしたことが、「男性目線でしか物事を見ておらず女性差別的」「現代社会ではセクハラにあたる」といった声が。

 SNSなどではこのほかにも「まだ物事の分別がつかない子供が見たら、『勝手にキスしてもいいんだ』と勘違いする」「レイプを助長している」といった、子供に与える影響を懸念する声もあった。

画像2: 歌詞の内容が現代の風潮と合わない?

 ちなみに、過去には同様の理由である母親が、同じくディズニー映画の『眠れる森の美女』を例にあげ、眠っていて意思表示ができない女性にキスをするという行為は、「相手の同意なしに性的行為に及ぶ」というレイプの根本的問題と重なると問題提起。少々極端ではあるが、「言いたいことは理解できる」と多くの人たちから共感を得た。

 また、最近だと女優のクリスティン・ベルキーラ・ナイトレイが、ディズニープリセスの偏った描かれ方に対して、“昔のプリンセスのあり方は現代の子供のお手本にならないのでは?”と疑問符を投げかけていたことも記憶に新しい。(フロントロウ編集部)

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