シンガーのジャスティン・ビーバーが2015年にリリースした楽曲「アイル・ショウ・ユー(I’ll Show You)」のMVの撮影を行なった、北欧の国アイスランドのある観光スポットが閉鎖されたことが明らかになった。
旅行メディアLonely Planetは、アイスランド環境庁が、これ以上の環境破壊を防ぐため、同国屈指の美しい峡谷「フャズラオルグリューブル(Fjaðrárgljúfur)」への全経路を封鎖したと報道。
絶好のインスタ映えスポットとして人気を博した同観光地は、ジャスティンの「アイル・ショウ・ユー」のMV公開後、観光客が激増。さらに、2017年から2018年の間には、訪問者数が15万人から28万人に膨れ上がっていた。
ジャスティンの「アイル・ショウ・ユー」のMV。
膨大な数の観光客が訪れるようになったことにより、非常に繊細なことで知られている同地の植物の生育が乱され、地元住民たちの間でも不安視する声が相次ぐことに。これ以上、踏み荒らされることがないようにとの懸念から、今回の決断が下されたという。
アイスランドは今年、異例の暖冬となっており、降水量が例年よりも多かった。絶景スポットと言われる地点までは専用の歩道が用意されているが、連日の雨によってぬかるみ、歩きにくくなった歩道を避けるため、本来ならば立ち入るべきではない、植物や苔が生える場所に人々が踏み込むようになったことも植生の破壊に影響しているという。
「アイル・ショウ・ユー」のMVの公開当時も、ジャスティンが映像内で本来立ち入るべきではない、岩の上にむした苔の上を転がったり、絶壁に腰かけたり、氷河で寒中水泳を行なったりする危険な行動に出ていたことから批判の声があがっていた。
MVの公開から約4年が経った今、環境破壊を間接的に“自分のせい”にされるのは、現在うつ病の治療に励んでいるジャスティンにとっては少々酷な気もするが、彼の影響力の大きさにはやはり驚かされる。
ちなみに、フャズラオルグリューブルの閉鎖は今年の6月1日までで、永久的なものではない。もしも、同地を訪れる機会があれば、環境には十分に配慮し、ルールは守って絶景を楽しみたい。(フロントロウ編集部)