これが一連の発端!スコセッシ監督の意見
マーベル映画批判の口火を切ったのは、映画『タクシードライバー』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『ディパーテッド』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』といった映画史に残る名作を生み出し、幅広い年代において最前線で活躍してきた映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ監督。
スコセッシ監督は2019年10月4日に行われた米Empireのインタビュー内で、マーベル映画について言及。その際、MCU作品を見ようとしたけれど、ほとんど見ていないとコメント。さらに、「あれはシネマだとは思いません。正直、マーベル映画はテーマパークのような感じで、感情的・心理的体験を他の人に伝えようとしている人間の映画ではありません」といった。
スコセッシ監督は10月13日に行われた自身の新作映画『アイリッシュマン』の記者会見で、再びマーベル映画に対する自分の意見を述べ、「映画館をアミューズメントパークのように変えるタイプの映画は、「映画」とは全く別の体験だと思う。賛成の人も、反対の人もいるだろうけど、あれはシネマとは言えない」と再び強調した。
スコセッシ監督はアカデミー賞やゴールデングローブ賞、カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭などの映画賞を総なめにし、DCコミックス原作映画『ジョーカー』のトッド・フィリップス監督をはじめ多くの大物監督が強く影響を受けたと明かしている巨匠なだけに、スコセッシ監督の発言は大きな波紋を呼んでいる。
巨匠コッポラ監督が続けてアンチマーベル発言
現在80歳を迎えるフランシス・フォード・コッポラ監督は、映画『ゴッドファーザー』や映画『地獄の黙示録』など、誰もが一度は耳にしたことのあるクラシック映画を多数生み出してきた監督。娘は映画『ヴァージン・スーサイズ』や映画『ロスト・イン・トランスレーション』などを製作したソフィア・コッポラで、甥はなんと俳優のニコラス・ケイジという映画一族。
そんなコッポラ監督が、フランスで開かれた映画の祭典リュミエール・フェスティバルで、スコセッシ監督の発言を支持。
「マーティン・スコセッシがマーベル映画はシネマじゃないと言ったけれど、彼は正しい。なぜなら、“シネマ”とは私たちに何かを教え、悟りや知識・インスピレーションなど、何らかのものを習得させるべきだから。「同じような映画」を何度も何度も見続けることで何かを得られるという人間は、いるのだろうか」とコメントしただけでなく、「マーベル映画は映画ではない」と語ったスコセッシ監督に対し「マーベル映画に“卑劣だ”と言わないだけ優しい。自分ならそう言うね」とまで強気の発言をした。