秘密にしてきた「闘病」を告白
2017年の夏に世界ツアーの残り日程をキャンセルして以来、表舞台からは距離を置いて休養に入っていたシンガーのジャスティン・ビーバー。
2019年2月には、深刻な“うつ”の症状に悩まされ、専門医によるカウンセリングなどの治療を受けていることも報じられたが、当時、関係者は「ジャスティンには精神的に悩んでいることがある」と証言し、「“有名である”という事実と奮闘している」、「つねにパパラッチに追い回されていることにカッとなってしまうことがある」などと、その原因について分析。ジャスティン本人も、自分自身の苦悩や心の問題と向き合っているという事実について、SNSを通じて頻繁に口にしていた。
しかし、ここへ来て、ジャスティンが苦しめられていた“うつ”の根本的な理由が、まったく別の病気による心労だったことが明らかになった。
ジャスティンは、2020年の上旬に約4年ぶりとなるニューアルバムのリリースを控えており、同作からの先行シングルとして新曲「Yummy(ヤミー)」を発表したばかり。そして、1月27日からは、復帰までの4年間を追った全10エピソードのドキュメンタリー番組『Justin Bieber: Seasons(ジャスティン・ビーバー:シーズンズ)』がYouTube Originalsで配信開始となることが発表されている。
そんな、ドキュメンタリー番組を一般のファンよりも先に視聴したという人物が、米TMZに驚きの証言をした。
それは、同番組のなかで、ジャスティンが感染症である「ライム病」との闘病について告白しているというもの。
この人物によると、ドキュメンタリーでは、ジャスティンや彼と親しい人物たちが、ジャスティンのライム病との闘いについて、当時の様子や症状などについて語っているといい、最初は医師でさえも彼の身に何が起きているのか分からず、なかなか診断がつかなかったことや、原因不明の体調不良に悩まされていたことで、ジャスティンが心に大きな不安を抱え、メンタルのバランスを崩してしまったといういきさつについても語られているという。
ライム病とは?
「ライム病」は、マダ二によって媒介される細菌感染症で、病原体が全身に拡散すると、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状などいろいろな症状が現れることで知られており、ろれつが回らない、理解力が低下する、腕に思うように力が入らないなといった脳卒中に似た症状も報告されている。抗菌薬で治療でき、米国ではワクチンが承認(日本では未承認)されているが、ごくまれに死に至ることもある。
欧米では、年間数万人のライム病患者が発生し、その報告数も年々増加していることから、重大な社会問題に。さらに、気候変動の影響で発症者数が増えているという説もある。
近年では、ジャスティンと同じくカナダ出身のシンガーのアヴリル・ラヴィーンが約5年間にわたって闘病したことを「死ぬかと思った」と告白したほか、ジャスティンの妻でモデルのヘイリー・ビーバー(旧姓ヘイリー・ボールドウィン)の叔父にあたる俳優のアレック・ボールドウィンやカントリー歌手のシャナイア・トゥエイン、モデルのベラ・ハディッドと母のヨランダ・ハディッド、弟のアンワー・ハディッド、映画『ナイト・ミュージアム』などで知られる俳優のベン・スティラー、リアリティスターのケリー・オズボーンといったセレブたちも、診断がつきにくいことから“Invisible Disease(見えない病)”と呼ばれるライム病に関する知識を世間に広めるため、啓発を兼ねて、自身の闘病を告白している。
現在の病状は?
原因がわからないまま、ありとあらゆる治療法をためしたものの、症状は悪くなる一方だったというジャスティン。
2019年の初めには、妻のヘイリーを連れ立ってビバリーヒルズのクリニックに足繁く通う様子がパパラッチに激写され、「もしかしてヘイリーが妊娠したのでは?」というウワサが囁かれることとなったが、実情は、どうやら、ジャスティンの体調不良の原因を探るべく、何度も医師のもとを訪れていたということのよう…。
さらに、ジャスティンは近年ひどい肌荒れにも悩まされてきたが、それらは、医師たちが原因がわからないまま処方したさまざまな薬の副作用によるものだと言われている。
2019年の終盤になりようやくライム病と診断され、適切な治療を開始したというジャスティンは、みるみる回復。一時は痛々しいほどだった肌荒れもだいぶ治り、ドキュメンタリー内のインタビューでは、アルバムのリリースや5月からスタートするツアーに向けて準備万端だと意気揚々と語っているという。
ジャスティン本人が闘病を認める
関係者はTMZに、アルバムのリリースが先延ばしになったのも、すべてジャスティンの体調を考慮してのことだと証言。
そして、これらの情報が事実であることを認めるべく、ジャスティン本人がインスタグラムでTMZの記事をシェア。こんなコメントでライム病との闘病を認め、それに加えて患っていたというEBVウイルスによる感染症も公表した。
「たくさんの人たちが、『ジャスティン・ビーバーはヒドいツラをしてる』とか、『ドラッグでもやってるんじゃないか』とか噂してたけど、みんな僕が最近ライム病と診断されていたっていうことには気づかなかったみたいだね。それだけじゃなくて、僕は肌や脳の機能、エネルギー、全身の健康に影響をおよぼす、重度の伝染性単核球症(※)も患っていたんだ。僕が一生懸命戦って、克服しようとしていたのが分かったでしょ! この数年間は本当に大変だった。でも、現時点では治らないとも言われているこの病気を治すための正しい治療を受けて、僕は復活するよ。嘘じゃないからね!」
※EBV(エプスタイン・バール・ウイルス)の初感染によって生じる急性感染症。
そう語り、自身を悩ませていた病気の真相を告白したジャスティン。彼がどんな日々を過ごしていたのかは、27日から配信が開始するドキュメンタリー番組の中で明らかになる。(フロントロウ編集部)
※この記事は一部表記に誤りがあったため記事公開後に修正しました。当初病名を慢性活動性EBウイルス感染症と記載されていましたが、伝染性単核球症の誤りだったため修正しました。また、ジャスティンのコメント訳を調整しました。