「あの人」のお墨つきが必要
兄のフィニアス・オコネルとともに書き下ろした楽曲『ノータイム・トゥ・ダイ(No Time to Die)』が映画『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌に起用されたシンガーのビリー・アイリッシュが、同楽曲の採用に際してくぐり抜けなければならなかった、“予想外の関門”について明かした。
『007』シリーズの主題歌といえば、これまでにもポール・マッカートニーやトム・ジョーンズ、デュラン・デュランやマドンナ、シェリル・クロウ、ジャック・ホワイト、アリシア・キーズ、アデル、サム・スミスといった名だたるアーティストたちが担当し、ヒットを記録してきた。
それだけに、『007』の主題歌を担当することをキャリアにおける大きな目標の1つとするアーティストも多いが、ビリーは、その栄誉を弱冠18歳にして手に入れて世間をあっと言わせた。
ビリーは、先日出演したApple Music Beats 1のラジオ番組『New Music Daily』で、壮大なバラード曲である「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を兄フィニアスとの二人三脚により、たった3日間で書き上げたという驚きの情報を明かしていたけれど、じつは、同曲の採用には、思わぬ関門を突破しなければならなかったことも明らかに。
それは、主題歌の採用には、『007』シリーズ計5作にわたりジェームス・ボンド役を演じ、本作をもって同役を卒業する俳優のダニエル・クレイグからの“お墨つき”を得なければならなかったということ。
ビリーとフィニアスは、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が主題歌として正式に採用される前にダニエルに楽曲を聴いてもらい、気に入ってもらう必要があったことを英BBCのラジオ番組『BBC Breakfast』のインタビューで告白。
「彼に楽曲を気に入ってもらわなくちゃならなかった。もし、ダニエルが好きではないと言ったら、この仕事は任せてもらえなかった」とコメントしたフィニアスに対して、ビリーも「彼の意見は重要視される。今回の経験からそれを学んだよ」と同意。ダニエルからのGOサインが出たからこそ、自分たちの楽曲が『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌として無事採用されたと明かした。
2人の口ぶりから推測するに、これまでのシリーズ作品の主題歌採用にもどうやらダニエルが絡んでいたよう。
『007』シリーズでは、もともと、ボンド役の俳優たちが代々、主題歌の選考に意見を投じるというのが伝統なのかどうかは不明だが、これまでダニエルが出演したシリーズ作の主題歌はいずれも大ヒットを記録。とくに、アデルとサムが担当した過去2作の主題歌に関しては、いずれもアカデミー賞主題歌賞を受賞するという快挙を達成している。
その事実から考えると、ダニエルには良曲を見極める確かな審美眼があるということになるが、リリースから数日ですでにYouTubeでの音源動画の再生回数が2,600万回を突破しているビリーの「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、果たしてどこまで健闘できるのだろうか?
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の日本公開は4月10日。ビリーは、日本時間2月19日にイギリスで開催されるBRITアワードのステージでフィニアスらとともに「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の初パフォーマンスを披露する。(フロントロウ編集部)