「真っ黒」の画像を投稿したエマ
俳優のエマ・ワトソンが「#blackouttuesday(ブラックアウト・チューズデー)」、「#theshowmustbeposed(ショウは止まらなければならない)」というハッシュタグと共に、3枚の真っ黒な画像を自身のインスタグラムに投稿。
これは、ここ数ヶ月間にわたって警察官によって黒人が殺害される事件が立て続けに起きたことをきっかけに、黒人の命にも価値があると訴える「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」運動が広がりをみせていることがきっかけとなり、音楽業界から広まった「#Blackout Tuesday(ブラックアウト・チューズデー)」と呼ばれるストライキに賛同したもの。
6月2日の火曜日を「ブラックアウト・チューズデー」と銘打って、「The Show Must Be Paused(ショウは止まらなければならない)」というスローガンのもとで、ビジネスを一時中断し、黒人差別撤廃のために企業や個人それぞれがこの問題に考えを巡らせ、できることを実行しようと発足した運動で、これまでにセレーナ・ゴメスやリアーナら多くのセレブたちがストライキに賛同していたなかで、エマもこの運動への支持を示すため、3枚の「真っ黒」の画像をインスタグラムに投稿した。
しかしながら、エマが投稿した一連の画像は、彼女がこれまでインスタグラムに投稿してきた他の画像と同様に四方に白い枠をつけて加工したものとなっていて、これを受けて「プロフィール欄での見栄えを優先したのではないか」として、一部の人々から批判が寄せられることに。
エマが声明を発表
アメリカでは先週、ミネソタ州ミネアポリスで白人の警察官に首を押さえつけられた黒人男性のジョージ・フロイドが亡くなるという事件が発生し、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデをはじめとした多くのセレブたちが事件を受けて人種差別に抗議の声をあげていた一方で、エマは今回までこの事件について声をあげておらず、加工した状態で黒い画像を投稿したことも相まって、パフォーマンスのために投稿してしまったのではないかと疑われてしまったよう。
エマはその後、イギリスで「ブラックアウト・チューズデー」の翌日となる6月3日になるのを待った上で、長文の声明を投稿。
「皆さんと共にあります」というコメントと共に投稿された声明の全文訳は以下の通り。
過去や現在において、認識されていない、もしくは責任の所在が分からない人種差別があまりに多くあります。白人至上主義は、階層、支配、搾取、抑圧のシステムの1つとして社会と密接に結びついています。白人として、私はこの恩恵を受けてきました。
私たちは個人として、心の中では反人種差別主義者になるために懸命に取り組んでいると感じているかもしれませんが、私たちは周囲に構造として制度的に存在している人種差別を積極的に攻撃できるよう、外側から働きかける必要があります。私は今も、構造的な人種差別を無意識にサポートし、支持することに繋がってしまうあらゆる方法について学んでいるところです。
今後数日間、私は自分のプロフィール欄やTwitterを使って、リサーチや勉強、ヒアリングに役立つと感じた資料のリンクをシェアしようと思っています。
皆さんの怒りや悲しみ、痛みは分かります。皆さんにとってそれがどのようなものなのかは私には計り知れませんが、だからといって、理解しようとしてないわけではありません。エマ
映画『ハリー・ポッター』シリーズなどで知られるエマはアクティビスト(活動家)として、男女平等を目指すキャンペーン「HeForShe(ヒー・フォー・シー)」を立ち上げたり、ハリウッドにおけるセクハラ撲滅運動である「#Time’s Up」に率先して参加したりと、女性の権利向上を声高に訴えてきたことで知られている。
「リサーチや勉強、ヒアリングに役立つと感じた資料のリンクをシェア」しようとしていると表明していたエマはその後、反人種差別主義を学ぶための資料をリストアップしたウェブサイトを公開。「もし過去に反人種差別の作品に触れたことがないようであれば、今から始めてみてください」と言う前文と共に公開されたサイトはこちらから。(フロントロウ編集部)