リアリティスターが共演者の「偽善的行為」を告発
Netflixのオリジナル・リアリティー番組『ザ・ジレンマ:もうガマンできない?!』(以下、『ザ・ジレンマ』)。美しいリゾート・アイランドに集められた、世界各国を代表する“パリピ男女”が、キスを含む性行為や自慰行為は禁止というルールのもと、賞金10万ドル(約1000万円)をかけて1か月間の禁欲生活に挑むというユニークな内容の同番組は、4月の配信開始直後には、Netflix内の「今日の総合TOP10」では1位を獲得するほどの人気ぶりとなった。
個性豊かで美男美女ぞろいのキャストたちが繰り広げる、ツッコミどころ満載で思わず目を疑うようなやりとりが名物となっている同番組だが、そのなかで、賞金獲得に向けて超マジメに禁欲生活に取り組んでいたのがイギリス出身の「ケルツ」ことケレチ・ダイク(27)。
ケルツことケレチ・ダイク
ほかのキャストたちと同じく、番組出演がきっかけで有名人となり、今ではインスタグラムのフォロワー数が69万人を突破しているケルツだが、そんな彼が『ザ・ジレンマ』の共演者で同じくイギリス出身のデイビッド・バートウィッスル(28)が、ナイジェリア系の両親を持つ黒人である自分との写真をインスタグラムに投稿することで、“反差別主義者アピール”をしたと怒りを爆発させた。
デイビッド・バートウィッスル
「傍観してるだけなんて御免だ。僕は君を支持する、人種差別に一緒に立ち向かう」というコメントを添えてケルツとのツーショットを投稿したデイビッドは、さらに「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」のスローガンを掲げた人種差別抗議デモ激化の引き金となった、白人警官による非武装の黒人男性殺害の被害者であるジョージ・フロイド氏の死や警察による蛮行に言及。自身も人種差別に反対するデモ賛同者の1人だとフォロワーたちに向けて表明した。
そんなに仲良くないけど? 「既読スルー」も暴露
ケルツとデイビッドが普段から仲の良い友人同士であり、投稿の中でケルツとの友情や彼への支持についてもっと深く語られていたとしたら、とくに指摘を受けるべき行為であるとは感じないのだが、問題は、2人がさほど親しくはないということ。
しかも、ケルツいわく、デイビッドは彼が「Black Lives Matterへのサポートを表明するために、ある動画をシェアして欲しい」とお願いした際、返事をすることもなく連絡をスルーしたという。
このことについて、インスタグラムへの投稿で「一緒に立ち向かう? いやいや、俺が不正や人種差別に関して話している動画をシェアして欲しいって頼んだのに、君は既読スルーしたじゃないか。それなのに許可も無しに俺との写真を投稿するなんで。俺と並んで立つことで、(反人種差別の)シンボルにでもなれると思ったのか? 」とデイビッドを厳しく批判したケルツ。
さらに、デイビッドが『ザ・ジレンマ』のほかの黒人キャストとの写真も投稿していたことに触れつつ、こんな言葉で、彼だけでなく、黒人の知人や友人と写った写真や動画を公開することで、人気やイメージアップを図ろうとしている悪質なSNSユーザーたちを非難した。
「俺ソーシャルメディアでの利益や『いいね』のために使うな。#BlackLivesMatterというムーブメントを単なるトレンド入りしているハッシュタグとして使わないでくれ」
デイビッドの投稿に直接コメントをして、自分を“写真用の小道具”のように使われたことが不快だと抗議したというケルツは、それに対し、デイビッドが投稿を削除する代わりに、ケルツのコメントを削除するという不誠実な行動に出たことも暴露。「Black Lives Matterを個人の利益やセレブとしてのステータスアップに使ってる奴らに声を上げる時が来たんじゃないか」と訴えた。
悪質インフルエンサーが続々出現
デイヴィッドのように、ケルツからしてみれば偽善的と感じるような、上辺だけの“反差別主義者アピール”をSNSで行なうユーザーにくわえて、街中でも、デモに参加している“フリ”や一部で過激化するデモから店舗を守ろうとしている人を手伝う“フリ”をして写真や動画を撮影しているインフルエンサーたちの姿が目撃されている。
This is neither the time nor the place pic.twitter.com/EMyXcx3oUB
— influencersinthewild (@influencersitw) June 2, 2020
燃え盛る車の前で記念撮影をする人々
黒人の命や生活、今後の社会の在り方に関わる重要な変化を求める運動ですらも、「いいね!」やフォロワー増といった私利私欲のために利用しようとしている心ない悪質インフルエンサーたちの行動は、次々と報告されており、世間では呆れて物も言えないといったような非難とため息が漏れている。
ちなみにケルツの告発により世間からの批判が殺到したためか、デイビッドは、その後、該当の投稿を削除している。(フロントロウ編集部)。