クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト ライジング』で、暴力的すぎるという理由で、死亡シーンがカットされたキャラクターがいた。(フロントロウ編集部)

 ※この記事には、映画『ダークナイト ライジング』のネタバレが含まれます。

PG-13指定だった『ダークナイト ライジング』

 現在、最新作『TENET テネット』が公開中のクリストファー・ノーラン監督だけれど、その代表作といえば、やはり『ダークナイト』3部作。2005年から2012年にかけて公開された3部作は、クリスチャン・ベールのバットマンや故ヒース・レジャーのジョーカー、アン・ハサウェイのキャットウーマンや、マイケル・ケインのアルフレッドなど、各キャラクターのキャスティングが秀逸なことで知られる。

 各作品に多くのキャラクターが出演した3部作だけれど、とくに『ダークナイト ライジング』は最終章とあって、かなり豪華な顔ぶれが揃った。本作は、アメリカではPG-13(13歳以下は保護者の注意が必要)指定で公開されたのだけれど、じつは、NC-17(17歳以下の鑑賞禁止)になっていた可能性があったよう。

あるキャラクターの暴力的すぎた死亡シーン

 その理由は、あるキャラクターの死亡シーンがあまりにも残酷だったからだそう。そのキャラクターとは、ゴッサム市警のピーター・フォーリー副本部長。マシュー・モディーンが演じた映画オリジナルキャラクターのピーター・フォーリーといえば、当初は視聴者をイラつかせるキャラクターだったけれど、終盤では意思を見せ、そのなかで戦死する。

画像: ⓒWARNER BROS PICTURES / Album/Newscom

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 彼の死が分かるシーンは、少しあっさりしていると感じたファンもいたかもしれない。しかしそれは、じつは彼の死亡シーンがカットされたからだったよう。ポッドキャスト『Reel Blend(原題)』に出演したマシューが、裏話を明かした。

「彼(ノーラン監督)は、『ダークナイト ライジング』での僕の死亡シーンをカットしたんだよ。NC-17指定になってしまうかもしれないからって…。マリオン・コティヤール…、ベインが死んで、バットマンのクリスチャンが刺される。彼女は乗り物に乗る。そして彼女は走り去って、僕は彼女に向かって撃っている。そして僕は轢かれる。するとシーンが切り替わって、僕は床に倒れていて、死んでいる。でもそれは暴力的だったんだ。僕のスタントダブルが、その車で轢かれた。彼らはあの車の前にプレキシガラスのやつを乗せていて、彼はそれに轢かれた。彼らは、スタントダブルを空中へ引き上げるためのロープを用意していて、彼は舞い上がったあとに、15フィート(約4.5メートル)の高さから落とされた。そしてニューヨーク証券取引所の前の石畳に、彼の身体が打ちつけられる音といったら、吐き気がしたよ。そしてその撮影の時にクリストファー・ノーランのほうを見たら、彼の顔は真っ白だったね。彼は、『オーケー。次へ行こう。これはもう済んだ』って言ったけど、『オーマイゴット。スタントダブルは起き上れるの?彼は大丈夫?』って感じだった。ノーランは、もしそのシーンを映画に入れたらNC-17指定になるだろう、なぜならそれはすごく暴力的だからって言ってたよ」

 『ダークナイト』3部作といえば、スタントダブル数名やキャストなど、制作関係者に様々な事件が発生したことから、このエピソードもなかなか怖く感じてしまう。とはいえ、マシューが公に話せる程度ではあるということで、その点は安心。話を聞いているだけでも暴力的なシーンであることは伝わってくるため、ピーター・フォーリー副本部長の死亡が分かるシーンは、あのぐらいのあっさり加減で良かったのかもしれない。(フロントロウ編集部)

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