『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演していたエミリア・クラークは、自身が演じたデナーリス・ターガリエンのために撮影現場で闘っていた。(フロントロウ編集部)

狂気に落ちたデナーリス・ターガリエン

 その印象的な笑顔でファンから人気を博し、映画『世界一キライなあなたに』や『ラスト・クリスマス』などに出演してきたエミリア・クラークは、2011年に放送が開始されたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で一気にその名を有名にした。

 エミリアが演じたデナーリス・ターガリエンといえば、登場したばかりの時には、戦略結婚によってジェイソン・モモア演じるカール・ドロゴとの苦しいシーンもあったけれど、その後ドラゴンの母となり、大軍を引き連れる指導者に。そしてシーズンの後半ではその強さが暴走し、あのラストシーンが生まれた。

画像: ⓒHBO / Album/Newscom

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デナーリスを演じたエミリア・クラークの思い

 『ゲーム・オブ・スローンズ』は、約10年を通して女性キャラクターの成長が見られたことも、多くのファンを惹きつけたポイント。一方で、その描かれ方には論争を呼んだものもあった。とくに本作の脚本家に女性は2人、監督には1人しかいなかったことは知られている。そんななかでは、エミリアがデナーリスを演じる張本人としてデナーリスを守ったこともあるという。『ゲーム・オブ・スローンズ』の裏側に迫った本『Fire Cannot Kill a Dragon(原題)』で、こう明かした。

画像: デナーリスを演じたエミリア・クラークの思い

 「『なんで私にこの指摘をしてきたの?』っていう時はあったね。私は基本的には『何かできることはありますか?』ってタイプだけど、『私がこの子と何をするかに指図しないで。しなきゃいけないことは分かってる!』って感じの時もあった。デナーリスがどんどん冷たくて無表情になってしまったという感じ。私はいつもそこに人間味を取り込みたかった。だって、つねにそういう感じの人はいないでしょう。だからたまに言い返してたの。『彼女は鋼のようで、執念深く、力強くなくてはいけないのは分かる。でもこの時にも、彼女は人間なんだよ!あなたにはそれを伝えておくし、変更する時にそれを考慮してくれることを心から祈ってる』ってね」

 本作の撮影現場では女性差別的な出来事がたびたび起こっており、エミリアには、不必要なヌードシーンの撮影の前にはトイレで泣いていたという過去も。しかしキャリアを積むことで自分の意見を言えるようになったと話していたとおり、デナーリスの描かれ方についても自分の思いを伝えていたよう。

 ちなみにエミリアには、共演者であるミッサンデイ役のナタリー・エマニュエルが現場でセクハラにあった時に彼女を守ったというエピソードもある。(フロントロウ編集部)

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