※この記事にはドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン1のネタバレが含まれます。
多額の利益を生み出した『ゲーム・オブ・スローンズ』
2011年から2019年にかけて米HBOで放送され、最終回の翌日にはアメリカで1,000万人が“ゲーム・オブ・スローンズ・ロス”に陥ったと言われるメガヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。
同作がHBOにもたらした利益は凄まじく、英金融サービスThinkMoneyの調査によると、最終章となったシーズン8は、1エピソードあたり約8800万ドル(約92億6千万円)、シリーズを通しては、22億8000万ドル、日本円にして2400億円以上の収益を生み出したと米Deciderが伝えている。
キャストたちのギャラもシーズンを追うごとにぐんぐんアップし、2017年には、メインキャラクターのデナ―リス・ターガリエンを演じたエミリア・クラークとジョン・スノウを演じたキット・ハリントンのギャラは、それぞれ1話につき約5200万円に。サンサ・スタークを演じたソフィー・ターナーは、1話につき約1800万円の報酬を得たと米Varietyが報じた。
大ヒットの恩恵を受けられなかったキャストも
ドラマ史上稀にみる特大ホームランとなり、最終的にはキャストたちも多額のギャラを手にすることとなった『ゲーム・オブ・スローンズ』だが、その恩恵をいまひとつ受けられなかったキャストもいる。
それが、シリーズ初期で死んでしまった、ドスラク族の長カール・ドロゴを演じた俳優のジェイソン・モモア。
ジェイソン演じた、カール・ドロゴは、エミリア・クラーク演じるデナーリス・ターガリエが“ドラゴンの母”として覚醒するきっかけとなった重要なキャラクターだけれど、登場人物たちが容赦なくバタバタと死んでいく『ゲーム・オブ・スローンズ』では、だいぶ早い段階で帰らぬ人に。それでも、鮮烈な印象を残したことで、ファンたちに愛され続けている。
ジェイソンが出演したシーズン1が放送された2011年の時点では、まだ『ゲーム・オブ・スローンズ』は社会現象な人気にまでは至っておらず、ジェイソンが手にしたギャラもさほど高くなかったよう。
しかも、出演後にはしばらく仕事が無い時期が続いたため、ジェイソンと妻で俳優のリサ・ボネットは、まだ幼い子供たちを抱えながら、借金をして食いつなぐ極貧生活を強いられていたという。
『ゲーム・オブ・スローンズ』という大作でメインキャラクターを演じながらも、しばらくは借金漬けだったという、知られざる苦労話を米InStyleに初めて明かしたジェイソンは、当時をこう振り返った。
「『ゲーム・オブ・スローンズ』のあと、俺たちはひもじい思いをしてたんだ。俺は、なかなか仕事が決まらなくてさ。まだ幼い子供がいるのに完全に借金まみれっていうのは、なかなか厳しいものだったよ」
今では“スケジュールぎっしり"の売れっ子に
その後、2017年に公開されたDCEU(※)映画『ジャスティス・リーグ』でアクアマンことアーサー・カリー役に抜擢されたことが大きな転機となり、その翌年には単独作『アクアマン』に主演してトップスターの仲間入りを果たしたジェイソン。
※DCコミックスを原作とする作品群「DCエクステンデッド・ユニバース」の略
ワイルドなのにどこか可愛らしいキャラや優しい人柄も評判となり、着々とファンを獲得した彼は、2021年秋にはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手がけた話題のSFリブート作『DUNE/デューン 砂の惑星』が公開されるほか、2024年までスケジュールがびっしりだという押しも押されぬ売れっ子となった。
自身が演じたキャラが死亡した後、世界中を熱狂させる超大作へと化けた『ゲーム・オブ・スローンズ』に関して、8年越しに未練を爆発させたこともあるジェイソンだけれど、たとえシーズン1しか出ていなくても、ほかのキャストたちに負けないくらい“ゲーム・オブ・スローンズ愛”が深いことで知られ、共演者たちとは今でも熱い友情で結ばれている。(フロントロウ編集部)