テイラー・スウィフト、ポールのために「普段はしない事」をする
8作目の『フォークロア(Folkrore)』が2020年に最も高いセールスを記録したアルバムとなったシンガーのテイラー・スウィフトは、約4年前に交際をスタートし、真剣交際を続けている映画『ハリエット』の俳優ジョー・アルウィンとのロマンスについて、公の場では一切語らないことで知られている。
ジョーと出会ってからリリースした楽曲のいくつかには、彼との関係の内幕や彼への想いを歌ったものがあるのではないかと言われているが、テイラーがジョーに関してインタビューなどで話すことは、これまで、まったくと言っていいほどなかった。
しかし、そんなテイラーが、めずらしくジョーについて話す機会が。
米Rolling Stoneのミュージシャン同士が対談する名物企画『MUSICIANS ON MUSICIANS』で、伝説的バンド、ザ・ビートルズの元メンバーで現在はソロシンガーとして活動するポール・マッカートニーと対談を果たしたテイラーは、『フォークロア』の収録曲「ピース(Peace)」に話題が及ぶと、ジョーの名前こそ出さなかったものの、彼との関係により、自分がどう変わったかを語った。
恋人ジョーとの関係や不安について語る
「Give you my wild, give you a child(見せてあげる 荒れた自分も あなたの子供も)」といった歌詞が登場することから、テイラーが、自分のすべてをさらけ出せるパートナーであるジョーとなら、家庭を築いてもいいと考えているのではないかとウワサされている「ピース」について、「私の私生活により根付いている曲なの」とポールに明かしたテイラー。
「あなたが、人々の視線に晒される生活を送りながら、苦労して人間としての生活を築き上げてきたことは私も知ってる」と、ポールが大スターとして世間の注目を浴びながら、自身や家族のプライバシーを優先してきたことに触れると、「とくに、とても地に足がついていて、ごく普通の生活をしている人と出会って恋に落ちると、すごく怖くなるよね。不安に襲われても、大抵の場合は、個人としての自分をコントロールしたり、平静を装ったり、物事を合理的に考えることもできるけど、表の繁みに20人くらいのパパラッチが隠れてスクープを狙っていたり、私たちの車を尾けてきたり、生活を邪魔されそうになると、自制がきかなくなる。明日、私たちに関してウソの変な報道が出たらどうしようって…」と、自身もジョーとの私生活を大切にしようとしているものの、あまりにも外野からの詮索が過剰で、めげそうになってしまうことがあると吐露した。
ポールが「そんな時はどうするの? 君のパートナーは、共感して、理解してくれているのかい?」とたずねると、テイラーは「うん、もちろん」と答え、ジョーも自分がつねに抱えている不安に寄り添ってくれていると回答。
「彼のことを知って、今みたいな関係になったことで、私は、タブロイドに載って人々にあれこれコメントされるようなストーリーじゃなくて、もっと自分の人生が普通でリアルだって感じられるような選択を下せるようになったと思う」と、ジョーと交際するようになってから、明らかに自分は変わったとも示唆した。
“普通の生活”への憧れ
「住むところをどこにしようとか、誰と親しくしようかとか、こういう時は写真はとらないほうがいいなとか…プライバシーの概念って、説明しようとするとすごく奇妙な感じだけど、じつは、ごく小さな“普通”の欠片を見つけ出そうとすることなんだよね」。
そう掘り下げたテイラーは、「『ピース』はそういう事について歌った曲。私には、私たちが喉から手が出るほど欲している“普通”っていうものを完全に手にすることはできないけど、それでも充分だと感じられる?っていう」と、曲に込めた、もはや有名人の自分には送れなくなってしまった普通の生活への憧れや、それが手に入らなくても、一緒にいてくれるのかという、せつない想いを語った。
テイラーは、ポールの娘であるデザイナーのステラ・マッカトニーと親しく、前作アルバム『ラヴァー(Lover)』のリリース時には、コラボグッズを発表したり、レッドカーペットや私服でもステラが手がけるブランド、Stella McCartneyのアイテムを愛用している。
ステラからは、普段から、ポールというスーパースターを父に持つ身としては、望める限り普通の幼少期を過ごすことができたと聞いているともつけ加えていた。
普段はジョーとの恋について絶対に語らないテイラーだけど、似たような宿命を背負い、自分が置かれた境遇を理解してくれそうなポールになら、と特別に本音を打ち明けたよう。
コラボの夢、新型コロナで幻に
ちなみにポールは、出演が予定されていたものの、新型コロナウイルスの影響で中止となってしまった2020年の英音楽フェス、グラストンベリー・フェスティバルで、テイラーをスペシャルゲストとしてステージに招いてコラボしたいと考えていたそう。
テイラーのヒット曲「シェイク・イット・オフ(Shake It Off)」を一緒にパフォーマンスしたいと思っていたそうで、テイラーは、実現したら「きっと、素晴らしかったでしょうね」と残念そうにコメントしていた。お互いコラボには乗り気のようなので、何らかの形でいつか実現する日がくることを祈りたい。(フロントロウ編集部)