2019年に世界的大ヒットを記録した『ジョーカー』が、あの国民的キャラクターにも影響を与えたよう。(フロントロウ編集部)

2019年には『ジョーカー』が世界を圧巻

 2019年に公開され、数々の映画賞を受賞。世界的メガヒットを記録した映画『ジョーカー』は、DCコミックスが原作でありながら、トッド・フィリップス監督が「コミックスは全く参考にしなかったんだ。それに関してみんなは怒るだろうね」と言い切ったほどで、現代社会の闇を反映したシリアスな作品となっている。

画像: ⓒDC COMICS/DC ENTERTAINMENT / Album/Newscom

ⓒDC COMICS/DC ENTERTAINMENT / Album/Newscom

 そんな『ジョーカー』で主演を務めたのは、こだわりが強い俳優として知られる演技派俳優のホアキン・フェニックス。本作への出演が決定しているにもかかわらず、オーディションをしてくれと監督に頼んだほど真摯に作品制作に向き合ったホアキンの演技は高く評価されており、例えばジョーカーことアーサー・フレックは笑いたくないのに笑ってしまうという情動調節障がい(Pseudobulbar Affect:PBA)を抱えているけれど、その症状の演技は、実際にその障がいを抱える人からも評価された。

 また、公開直後にはアダルト動画サイトで「ジョーカー」というキーワードの検索率が急上昇するという珍事も発生した。

ジョーカーの影響は子供向け作品にも!

 もちろんこの年のハロウィンにはジョーカーのコスプレも増え、ホアキンによるジョーカーは各所に影響を与えることとなったけれど、あの世界的キャラクターにも影響を与えたよう。

 それは、グリンチ!

画像: ニューヨークの街を楽しませた2018年のアニメーション映画『グリンチ』のバルーン。

ニューヨークの街を楽しませた2018年のアニメーション映画『グリンチ』のバルーン。

 1957年にドクター・スースが発表した児童向け絵本『いじわるグリンチのクリスマス』の主人公で、クリスマスが大嫌いな緑色のモンスターであるグリンチは、とくにアメリカではこの時期を象徴するキャラクター。これまでにジム・キャリーが演じたり、ベネディクト・カンバーバッチが声を演じたりしてきた。

 そして今年2020年には、ドラマ『glee/グリー』でウィル・シュースターを演じ、『ヘアスプレー』を含む数々のブロードウェイミュージカルで活躍してきたマシュー・モリソンが、米テレビ局NBCによる生放送ミュージカルでグリンチを演じる。

 マシューはミュージカルでグリンチを演じるにあたり、グリンチがダンスすることに違和感を覚えたけれど、『ジョーカー』の“あのシーン”を参考にすることを思いついたと、米EWのインタビューで明かす。

 「グリンチには上手いダンサーにはなってほしくなかった。だから『ジョーカー』のホアキン・フェニックスのパフォーマンスを多く参考にしたんだ。あの階段を降りる時の、ゆるく気ままで、何も気にせず、洗練されていないかんじをね。あれこそが、グリンチの踊り方だと思った。最初は、『グリンチはダンスする気がしない』って感じで、それがグリンチっぽいとはとくに思えなかったんだけど、それ(ジョーカーを参考にすること)を思いついて、それが正しくかんじたんだ」

 『ジョーカー』でジョーカーが踊りながら階段を降りるシーンといえば予告編やポスターでも使用され、ニューヨークのブロンクスにある実際の撮影現場は観光地と化してしまい近隣住民が苦言を呈したほどの象徴的なシーン。そんなホアキンの演技は、子供向け作品であるグリンチにまで影響を与えた。

 ちなみに、ホアキンは撮影のために体重を約24キロ減らし、その体重減少は身体の動きに良い影響を与えたと明かしている。そしてグリンチを演じるマシューも、体重をかなり減らしたと米USA Todayのインタビューで明かした。(フロントロウ編集部)

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