『ゲーム・オブ・スローンズ』、“もう1つのスピンオフ”の制作が進行中
2011年春から2019年初夏まで米HBOで全8シーズン計73話が放送され、最終話放送後には、1,000万人以上の視聴者たちがが“GoTロス”に陥るほどの社会現象的ヒットとなったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(通称GoT)。
アメリカ人作家ジョージ・R・R・マーティンの著のファンタジー小説シリーズである『氷と炎の歌』を舞台にした同作から、300年ほど遡った、ターガリエン家の栄光を描く前日譚『Houseof the Dragon(ハウス・オブ・ザ・ドラゴン/原題)』の制作が進められていることは、以前からフロントロウでもお伝えしてきたが、それとは別に、もう1作、HBOでスピンオフシリーズの制作が進められていることが米Varietyによる第一報で明らかになった。
舞台は『ゲーム・オブ・スローンズ』の90年前
もう1つのスピンオフのタイトルは『Tales of Dunk and Egg(テイルズ・オブ・ダンク・アンド・エッグ/原題)』。マーティン氏による同名の小説シリーズが下敷きとなる。
小説シリーズ『Tales of Dunk and Eggs』は、『ゲーム・オブ・スローンズ』の時代より約90年前が舞台。伝説的な「王の盾」の総帥であり、のちに“サー・ダンカン・ザ・トール(長身のサー・ダンカン)”と呼ばれることになるダンクと、のちにエイゴン・ターガリエン5世として王位につくことになるエッグの冒険を描く。
日本では、『ダンクとエッグの物語』というシリーズタイトルで知られ、「草臥しの騎士」「誓約の剣」「謎の騎士」の中編3作が収められた和訳版『七王国の騎士』が刊行されている。
関係者がVarietyに語ったところによると、『ゲーム・オブ・スローンズ』と同じくHBOが製作するドラマ『Tales of Dunk and Egg』は、まだ制作がスタートして間もなく、キャストはもちろん、脚本家などは決まっていないという。HBOは制作に関する問い合わせに関して、現時点ではコメントを控えている。
スピンオフ作の計画はほかにも
『ゲーム・オブ・スローンズ』の放送終了前には、合計で5作のスピンオフの制作が企画されており、2019年には、ナオミ・ワッツ主演のスピンオフ作品『The Long Night(ザ・ロング・ナイト/原題)』の撮影が北アイルランドでスタート。しかし、パイロット版を確認した制作・放送局HBOの重役からゴーサインが出ず、惜しくもキャンセルに。同作には、ナオミのほかにもアッキー、デニース・ゴフやジェイミー・キャンベル・バウアーなど、すでに多くの有名俳優が起用されていた。
その後、制作決定が発表されたのが、『House of the Dragon』で、2020年12月初めには、同作に登場するドラゴンの姿がお披露目されたほか、その数週間後には、事前に発表されていたパディ・コンシダインにくわえて、マット・スミス、オリヴィア・クック、エマ・ダーシーがメインキャラクターに起用されたことも告知された。
米Entertainment Weeklyが新たに伝えた情報によると、HBOは、『House of the Dragon』、そして、今回制作が報じられた『Tales of Dunk and Egg』のほかにも、いくつかのスピンオフ作品を任せることができる脚本家を探しているという。
その中の1つには、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の始まりから20年ほど前に起きた、ロバート・バラシオンがエイリス・ターガリエン2世から王座を奪うべく起こした反乱「ロバートの反乱(別名:簒奪者の戦争)」を描いた作品もあるそう。
ディズニーが『スター・ウォーズ』から派生した計10作のシリーズを制作し、傘下のストリーミングサービス、ディズニープラス(Disney+)での配信をアナウンスしているように、HBOは、『ゲーム・オブ・スローンズ』関連作品をストリーミングサービスのHBO MAXの大きな目玉にしようと考えていると言われている。今のところ、『ゲーム・オブ・スローンズ』の続編や物語のその後の未来を描く作品関する計画はないが、複数の前日譚の制作を検討しているらしい。(フロントロウ編集部)