『ブリジャートン家』や『デリー・ガールズ』で知られるニコラ・コクランが、ドラマで描かれる女性が様々になっていることを喜んだ。(フロントロウ編集部)

ウザい女性キャラクターって、最高

 イギリスのチャンネル4で放送が開始されたと同時に、過去13年間で最も成功したコメディとなった『デリー・ガールズ』や、Netflixで配信され、史上最も視聴されたNetflixオリジナルシリーズとなった『ブリジャートン家』などに出演してきたニコラ・コクランが、英The Guardianによせた寄稿文で、ドラマのなかで描かれる女性像が変わってきていることを祝福した。

 2018年に放送が始まった『デリー・ガールズ』は、北アイルランドを舞台に、エリン、オーラ、ミシェル、クレア、ジェームズといった高校生たちの青春を描くコメディドラマ。本作の脚本を受け取った時、ニコラは、その女性キャラクターたちの生き生きとした姿に、これこそが自分が待ち望んでいたものだと感じたという。

画像: ウザい女性キャラクターって、最高

 「ちゃんと面白くて、反抗的で、たまにウザい。ドラマのクリエイターであるリサ・マッギーが、ミシェル(1番うるさい奴)をもう少し柔らかく、もう少し優しく、もう少しマイルドにしてほしいと言われたって話してたのを覚えてる。彼女の返答:なんで?
 多くのテレビ番組は、深刻な欠陥がある男性キャラクターを許し、さらには主人公にしたりする。女性キャラクターよりもがぜん多くのね。TV史上最高の悪者の1人である『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイトを、もう少し優しい人にしてほしいなんて言う人いる?もちろんいない。このことは、女性は何がなんでも好ましくなければいけないという考えから、どれだけ多くの複雑な女性像がトーンダウンされたり、画面から取り除かれたりしているのだろうと、私に考えさせる」

 一方で、2016年に、女性キャストに一新され公開された『ゴーストバスターズ』は批判されていたことから、『デリー・ガールズ』が放送される前には、視聴者からの反応が怖かったとも認めるニコラ。

 しかし結果的に『デリー・ガールズ』は大ヒットとなったことについて、ドラマはオリジナルであり、「男性のフランチャイズに女性を組み込むことで、“男性の子供時代を破壊する”といったクレームは出来ない。『デリー・ガールズ』はいつでも少女たちについてだから」と、鋭く分析した。

女同士の友情って、最高

 また、その後出演した『ブリジャートン家』では、個々の女性キャラクターもさることながら、女性たちの友情も描かれたことが嬉しかったそう。

 ニコラが演じたペネロペと、クラウディア・ジェシーが演じたエロイーズは親友で、ペアとして人気なため、ファンからペネロイーズと呼ばれることもあるほど。そして原作者のジュリア・クインもまた、ニコラに、原作本はラブストーリーだけれど、最も大きなロマンスはペネロペとエロイーズの友情だと話したという。

 エロイーズ役のクラウディア・ジェシー(左)とペネロペ役のニコラ(右)。

 女性同士はドロドロしてるはずという想像ではなく、リアルな姿と友情が描かれたことに、ニコラは、「摂政時代の女性がどんなものだったかと私たちが考えるものではなく、本物の人間として私たちは描かれた」と祝福した。

 そしてニコラは、これから、まだまだ多くの様々な性格の女性たちが描かれることになるとして、こんな言葉で文章を終えた。

 「『デリー・ガールズ』と『ブリジャートン家』の撮影で最高だったのは、若い女性たちが弁解せずに自分らしくいられて、自分は魅力的ではないかもと心配することもなかったこと。私は、まだ画面を飾っていない難しく、素晴らしく、複雑な女性たちが登場していくことに期待している。シスターフッド万歳」

 俳優をやってきた女性たちの間で、作られる作品が良い方向に変わってきていることを感じている俳優は多い。

 Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス』でナンシーを演じるナタリア・ダイアーは、「子供の頃に(演技を)始めてから、当時もらっていた脚本と今もらう脚本の間には変化が見られる。女性の物語がより多く出ているのは、すごく良い。正しい方向性だと思う。まだまだ道のりは長いけどね」としたうえで、変化を喜びたいと語っていた

 「私の願いは、次の世代が(女性の)アートや映画、テレビ番組を充分に作り出して、様々なタイプの人、色んなバッググラウンドを映した様々な男性や女性の存在があること。それはすごく力強いことだと思うから。進歩はあると思う。でも早い段階でそれを祝いたくはなくて、でも喜びはしたいよね」

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.