ヘンリー王子とメーガン妃のインタビューで示唆された英王室における人種差別
米CBSで放送された大物司会者オプラ・フィンフリーとのインタビューの模様を収めた、およそ2時間におよぶ特別番組『オプラ・ウィズ・メーガン・アンド・ハリー(Oprah withMeghan and Harry)』で、王室での苦悩から主要王族の座を退くに至った経緯、ロイヤルファミリーとの現在の関係まで赤裸々に語ったヘンリー王子とメーガン妃。
インタビューでは、メーガン妃が黒人と白人の血を引くミックスということが原因で受けたと解釈しているイギリス国内の一部メディアからのバッシングや、そういった一連の報道からロイヤルファミリーがメーガン妃を守ってくれなかったこと、そして夫妻の長男アーチーの誕生前には、王室メンバーのなかに「アーチーの肌が何色になるのか」と懸念を示した人物がいたという衝撃の内容が語られ、日頃、国民に対して人種差別の撤廃を呼びかけているロイヤルファミリーが、「じつは人種差別主義者なのではないか」と疑いの視線が向けられる事態に。
インタビュー放送後、ロイヤルファミリーを代表してエリザベス女王名義で出された声明には、「ハリー(ヘンリー王子)とメーガンにとって、過去数年間がどれだけ試練に満ちたものだったかということを知り、ロイヤルファミリー全員が悲しんでいます。(インタビューで)取り上げられた問題の数々、とくに人種に関しては憂慮すべき問題です。いくつかの問題に関しては記憶が異なるかもしれませんが、いずれも真摯に受け止め、家族間で私的に対処します」と綴られた。
ウィリアム王子「私たちは人種差別一家ではない」
そんななか、ウィリアム王子が、ヘンリー王子とメーガン妃のインタビューに関して意見を求められ、ロイヤルファミリーのメンバーとしては初めて、自らの口でコメントする場面があった。
インタビューの放送から4日が経った英現地時間の3月11日、妻キャサリン妃とともにイースト・ロンドンにある小学校を訪問したウィリアム王子は、英Sky Newsの記者から「インタビュー番組の放送以降、弟さん(ヘンリー王子)とは会話をされましたか?」と質問されると、「いいえ、まだ彼と話をしていません。でも、これからするつもりです」と回答。
続けて、「ロイヤルファミリーは人種差別主義一家ですか? 」と直球の質問をぶつけられると、「私たちは決して人種差別一家ではありません」ときっぱりと返し、歩き去っていった。
Breaking: Prince William has become the first member of the royal family to publicly address the race row sparked by Harry and Meghan’s interview. He says he hasn ‘t spoken to his brother yet but will do and royals very much not a racist family. pic.twitter.com/WPtjexzARN
— Rebecca English (@RE_DailyMail) March 11, 2021
インタビューで語られた内容にショックを受けている
ある情報筋が米Us Weeklyに語ったところによると、ウィリアム王子はもちろん、かつては義姉としてヘンリー王子ととても親しかったというキャサリン妃は、ヘンリー王子とメーガン妃がインタビューで語った内容に「完全にショックを受けている」という。
この関係者は、ウィリアム王子とキャサリン妃に「最もショックを与えたのはメーガン妃が自殺を考えていたいうことと、アーチーの肌の色について懸念を示したロイヤルファミリーのメンバーがいたと語ったことです。ウィリアム王子とキャサリン妃は、ヘンリー王子夫妻と王室関係者とのあいだにいくつかのトラブルがあったことは知っていましたが、それらの事については、少しも認識していませんでした」と話している。
ヘンリー王子とはこれから話をするつもりだと明言したウィリアム王子。ヘンリー王子はインタビューの中で、ウィリアム王子との現在の関係について、「ウィリアムのことは愛しています。私たちは一緒に地獄を見てきました」と兄との変わらぬ絆を強調したうえで、「ただ、今は別々の道を歩んでいます。私たちのあいだには間隔があいています。でも、それは時が解決してくれるでしょう」と、2人の間に溝ができてしまっていることは確かだが、時間がわだかまりを溶かしてくれるのを待つとコメントしていた。(フロントロウ編集部)